交通論おもしろゼミナール1 新版 交通とビジネス【改訂版】


978-4-425-92623-7
著者名:澤 喜司郎・上羽博人 共著
ISBN:978-4-425-92623-7
発行年月日:2012/6/21
サイズ/頁数:A5判 260頁
在庫状況:在庫有り
価格¥3,080円(税込)
数量
◆この本のまえがき◆  交通技術の発達には目を見張るものがあります。旧版(2007年3月初版発行)の執筆・刊行時には存在していなかった新しい交通機関が登場し、現在では新しいサービスも提供されています。たとえば、最近では当たり前のように利用している東海道・山陽新幹線車両のN700系が2007年7月1日のダイヤ改正から営業運転を開始しました。その一方で、初代の新幹線車両の0系が多くのファンに惜しまれながらも現役を引退し、法定速度で世界最速としてギネスブックに登録されたことのある500系が「のぞみ」から格下げされ、現在では山陽新幹線区間で8両編成の「こだま」として運転されています。また、エアバス社の超大型総2階旅客機のA380が2007年10月25日からシンガポール航空SQ380便としてシンガポール〜シドニー間に就航し、全日本空輸はA380を2012年以降にヨーロッパおよび北米路線に順次投入する方向で検討を進めているといわれています。
 他方で、鉄道事業者が駅構内(改札内)で展開している商業施設「駅ナカ」や、その地下鉄版としての「駅チカ」などが注目と話題を集め、また2008年6月28日に京葉道路上り線幕張パーキングエリアにグランドオープンした「Pasar幕張」にみられるように、高速道路のSA/PAに商業施設を充実した高速「道ナカ」も登場しました。
 N700系や「駅ナカ」「駅チカ」などの登場は、私たち利用者にとっては多岐にわたる利便性の向上を意味し、歓迎されるものですが、地方では利便性の低下が危惧される多くの出来事も起こっています。たとえば、山口県柳井市と愛媛県松山市を結ぶフェリーを運航している防予気船が、高速道路料金を上限1,000円とする休日割引「1,000円高速」の影響によって業績が急速に悪化したため2009年10月1日付けで民事再生手続き開始の申し立てを行い、他のフェリー事業者では航路の廃止や減便が行われるなど市民生活に大きな影響が出ています。また、宮崎県延岡駅から宮崎県西臼杵郡高千穂町の高千穂駅を結んでいた高千穂鉄道高千穂線が2005年9月の台風14号による被害で運行休止に追い込まれ、2008年12月28日に全線を廃止しました。
 このような交通分野における変化に対応する意味もあり、旧版を大幅に改訂し、新版として刊行する判断をしました。あえて「新版」としたのは、旧版では「旅客部門」と「貨物(物流)部門」の両方を扱っていましたが、新版では私たちの最も身近な経済的現象である「旅客部門」の「交通の三要素」(動力/運搬具/通路)に限定し、「交通の物理的三要素」(時間/距離/速度)と「交通経営的三要素」(運賃・料金/経費/施設)という基本的な分析視点を堅持しつつ、本書の署名に恥じないようにビジネス(経営)についての記述に紙面を割くように心掛けたからです。このようなアプローチによって、本書の内容が総花的で概説的になってしまったという反省もありますが、「新版」としての本書の狙いがどの程度まで成功しているかは読者の皆さんのご批判を待たねばなりません。

平成22年年2月
澤 喜司郎

交通および交通をとりまく社会環境や関連する事柄を、ビジネス的な視点にたって概観、交通の現状と必要性、今後の課題などを解説する。最新の交通ビジネスの概要を網羅した改訂版。

◆こんな方にオススメです!◆ 交通経済学や交通経営学を勉強している人、交通に興味のある人。

まえがき

序 章 交通とビジネスと公共性 1 交通の三要素
2 交通の物理的三要素
3 交通の経営的三要素

第1章 新しい運輸技術と交通ビジネス 1-1 人工衛星とロケットビジネス
1-2 リニアモーターカーとリニア地下鉄
1-3 新交通システムと全自動無人運転

第2章 運輸インフラと巨大構造物 2-1 大陸を結ぶ海底トンネル
2-2 島々を結ぶ長大橋
2-3 運河と水路と閘門

第3章 新幹線のビジネスモデルと経営理念 3-1 新幹線の高速化と航空機との競合
3-2 新幹線の経営とJR各社の特徴
3-3 整備新幹線の課題

第4章 航空機と航空ビジネス 4-1 次世代の航空機と航空ビジネス
4-2 格安航空会社とビジネスモデル
4-3 幹線とローカル線の経営

第5章 鉄道経営における都市と地方の格差 5-1 都市の鉄道と経営
5-2 地方の鉄道と経営危機
5-3 第三セクター鉄道の存続危機

第6章 地下鉄と路面電車のビジネスモデル 6-1 地下鉄と経営
6-2 路面電車と経営
6-3 軽量軌道と経営

第7章 船舶と輸送とレジャー 7-1 クルーズ船とクルーズビジネス
7-2 フェリーボートと渡船
7-3 離島航路と補助金

第8章 バスとタクシーの経営 8-1 路線バスと貸切バスの経営
8-2 高速バスの経営と競争
8-3 タクシー経営と新ビジネス

第9章 空港と鉄道駅とバス停 9-1 空港経営と商業施設
9-2 鉄道駅経営と駅ナカ
9-3 バス停と広告

第10章 道路と道路利用ビジネス 10-1 高速道路とハイウェイホテル
10-2 一般道路と道の駅
10-3 道路イン/サイドビジネスと駐車場経営

第11章 割引切符とビジネス戦略 11-1 競争と割引切符
11-2 乗継割引切符と利便性
11-3 提携割引切符と相乗効果

第12章 車内販売とサイドビジネス 12-1 車内販売と機内販売
12-2 記念品とオリジナルグッズ
12-3 イベントとキャンペーン
カテゴリー:物流 
本を出版したい方へ

成山堂書店のBLOG