電車のはなし−誕生から最新技術まで− 交通ブックス118


978-4-425-76171-5
著者名:宮田道一・守谷之男 共著
ISBN:978-4-425-76171-5
発行年月日:2009/11/28
サイズ/頁数:四六判・264頁
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価格¥1,980円(税込)
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第35回 交通図書賞『技術部門』受賞
交通図書賞とは、財団法人交通協力会が交通に関する優秀な図書を選定し、広くこれを推奨することにより、交通知識の普及と交通従事者の教養の向上に資する目的で、昭和50年から制定、実施しているものです。

【まえがき】より
私たちにとって、鉄道は一番身近な公共交通機関の一つといえます。とくに日本の鉄道は、ほぼ時刻表どおりに運行され、世界でも類を見ない正確さを誇っており、通勤・通学などの面でも今やなくてはならないものとなっています。鉄道はその名のとおり、「鉄の道」、すなわり、鉄のレールを敷き、その上をまずは蒸気機関車が走りました。蒸気機関車が、客車や貨車を牽き、人やものを運ぶ役割を担い、その実力を世の中に示したのです。その後、劇的な技術発展を背景に誕生したのが「電車」です。電気で動く鉄道である「電車」は、日本でも一世紀を超える歴史を誇ります。現在では、しばしば「鉄道」=「電車」と置き換えられるくらい、まさに「一番身近な公共交通機関」なのです。さて、その「電車」ですが、大まかにいうと、お客さんの乗る部分を「車体」といい、私たちも実際に「見る」ことも「乗る」こともできます。この車体は、最初は木造でしたが、すぐに鉄鋼を使った半剛製、そして全鋼製となり、いまではステンレス鋼やアルミ合金が使われています。また時代時代で、デザインや内装も刻々と変わってきました。デザインでは、列車風や騒音が少ない、流線形スタイルが開発されましたし、内装も、シート配置、素材、空調など様々な面で改良がくわえられています。また、電車を構成するモーターや台車など「見えない部分」もあります。実際に乗ったり、見たりすることができる車体と異なり、「この見えない部分」の仕組みや変化は分かりにくいものです。電車は、電気モーターに送って、その回転力を車輪に伝え走りますが、これらの部分はなかなか見ることができません。もちろん、車体以上の様々な工夫・改良が図られました。モーターは、直流直巻方式というものからスタートし、今では、交流による誘導電動機となっています。電気の入り切りをするスイッチも、半導体の最新システムが採用されています。走り装置としての台車も、たとえば、乗り心地をよくするためのバネが、板バネ、コイルバネ、空気バネと進化しています。現在の日本の鉄道は、先に書いたとおり、世界一正確な運行と、それを支える電車の技術を持っています。日本は「電車王国」なのです。この電車が、『どのように発達してきたかを具体的な例をあげてわかりやすく説明したい』、というのが本書の目的です。できるだけ多くの電車やその技術を紹介するようにしましたが、一世紀を超える歴史ある「電車史」のなかで、もしご贔屓の電車の事が書かれていなかったりしたら、ご勘弁ください。とはいえ、電車の誕生からその発展、新しい技術などを写真と共に読みとっていただき、「電車」の知識を深めていただくとともに、この本が、それぞれの専門書へたどりつく道しるべとなることができれば幸いです。
著者

【目次】
第1章 電車が走り始めて育つまで
 ・電車の誕生
 ・吊り掛け式の発明,スプレーグ式電車
 ・上野公園で走った日本初の電車
 ・京都に初めて電車が走る
 ・大師詣での電車
 ・馬車鉄道から市街電車
 ・甲武鉄道の電化電車化
 ・都市間連絡を狙った電車
 ・蒸気列車から電車へ
 ・山手線の電車化
 ・京浜線電車の開業
 ・砂利も大事なお客様,玉電
 ・甲州街道沿いを走る電車
 ・お客さんは電車で
 ・京都〜大阪〜神戸のインターアーバン
 ・山越えの高速電車,大阪電気軌道
 ・電車メーカーの誕生
 ・箱根に登山電車
 ・鋼製電車の登場
 ・標準形省線電車の誕生
 ・高野山に登る電車
 ・難産だった地下鉄の誕生
 ・峠越えの俊足
 ・横須賀線の電車化
 ・ローラーベアリングを使った軽量高速電車
 ・流線形で登場した最初の連接車
 ・日本最速のインターアーバン・阪和電気鉄道
 ・一世を風靡した関西の省線電車
 ・優美な流線形電車

第2章 高性能電車の時代
 ・資材節約の電車から大量輸送の主役へ
 ・長距離列車の電車化,湘南電車
 ・復興のシンボル・特急電車
 ・小型高速モーターとカルダン駆動
 ・高性能通勤電車の登場
 ・新時代を象徴する電車,300形
 ・ボディーマウントの電車
 ・PCCカーに挑戦
 ・台車技術の開発
 ・最高速度へのチャレンジ・SE車の登場
 ・空気バネにチャレンジ
 ・国鉄の新性能電車
 ・観光のシンボル,ビスタカー
 ・前面の展望が売り物,パノラマカー
 ・特別急行列車も電車で,「こだま」「つばめ」
 ・ステンレス電車の登場
 ・軽流化を狙ったアルミ電車の登場
 ・交流電車の誕生
 ・発電ブレーキから回生ブレーキへ
 ・オールステンレス電車の登場
 ・電車の相互直直通乗入れ運転
 ・急行列車も電車に
 ・短い駅間距離に対応した通勤電車
 ・寝台特急も電車で
 ・通勤電車に冷房
 ・電気指令の空気ブレーキ
 ・ワンハンドルマスコン
 ・半導体が生んだチョッパー制御
 ・経済的な回生ブレーキ・界磁チョッパー
 ・空港へは特急電車で
 ・カーブを速く走る振り子式電車
 ・ボルスターレス台車
 ・日本で生まれた軽量ステンレス電車
 ・国鉄初の軽量ステンレス電車205系
 ・沿線観光に徹した電車
 ・電車の頂点に立つ新幹線電車

第3章 VVVFで飛躍する電車と電車の仲間たち
 ・VVVFは魔法の杖
 ・VVVFの地下鉄電車
 ・界磁チョッパーからVVVFへ
 ・魅力ある郷土の鉄道
 ・豪華高性能の特急電車
 ・再び関西インターアーバンの競争
 ・重量,価格,寿命2分の1の電車
 ・混雑対策の電車
 ・万能形の電車でサービス向上
 ・関空行きの特急電車
 ・止まるまで電気ブレーキ
 ・都市間連絡の振り子式特急電車
 ・北の大地で活躍する交流電車
 ・デュアルモード座席の電車
 ・ダブルスキンのアルミ電車
 ・市街電車はLRVへ
 ・普通鉄道,最高時速160キロメートルで走る特急電車
 ・特急貨物も電車で
 ・進化を続けるロマンスカー
 ・電車メーカーの変遷
 ・新しい構想の通勤電車
 ・違うゲージを行き来する電車
 ・リニアモーターの地下鉄
 ・ゴムタイヤの地下鉄
 ・線路のいらない電車,トロリーバス
 ・モノレール
 ・新交通システム
 ・浮かんで走る電車
 ・架線のいらない電車
 ・電車王国日本
 ・これからの電車
カテゴリー:交通ブックス タグ:交通ブックス 技術 車両 鉄道 
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