磯焼け対策シリーズ1 海藻を食べる魚たち−生態から利用まで−


978-4-425-88301-1
著者名:藤田大介・野田幹雄・桑原久実 編著
ISBN:978-4-425-88301-1
発行年月日:2006/11/8
サイズ/頁数:A5判 288頁
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価格¥4,180円(税込)
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近年、高度経済成長期から現在にかけて失われてしまった『豊かな海』を取り戻そうという動きが、官民問わず幅広い分野で活発化しています。その中で藻場は豊かな海の象徴的な存在の一つとして位置づけられ、全国各地で再生に向けた取り組みが行われています。しかしながら、思うような成果が上がらない、あるいは衰退に歯止めがかからないといった状況も見受けられます。その原因の一つとして最近注目されるようになっているのが、アイゴ・ブダイ・ニザダイなどの植食性魚類です。
本書は、これら植食性魚類による藻場の被害状況をまとめ、魚の生態、漁獲法、利用(食べ方)などを体系的に解説したものです。執筆者の多くは水産庁磯焼け対策モデル事業のメンバーであり、事業を通して得た多くの知見や成果が本書に盛り込まれています。単純に植食性魚類を厄介者とせずに、古くから食用として利用されている事例や一部の釣り人に人気があることに着目し、これを藻場再生サイクルの一部に取り入れようという構想は合理的かつ実践的であり、様々な示唆に富んでいます。
藻場再生事業に携わる人々はもちろん、釣り人やアイゴ料理に興味のある人も一読しておきたい一冊です。

【目次】
第1章 植食性魚類とは?
 1.1 植食性魚類は海藻・藻場とどのように関わってきたか
 1.2 国内の植食性魚類の分類

第2章 2005年の全国アンケート調査から
 2.1 アンケート調査
 2.2 魚の食害が藻場の衰退を引き起こしている都道府県
 2.3 沿岸都道府県における植食性魚類の生息状況
 2.4 まとめ

第3章 魚による各地の藻場衰退の現状
 3.1 変わりゆく九州西岸域の藻場
 3.2 食われても平気な藻場
 3.3 造成藻場も養殖海藻も食われる
 3.4 日本最大の磯焼けは魚の影響
 3.5 日本沿岸の藻場も魚に食われる?

第4章 植食性魚類の生態を探る
 4.1 サンゴ礁周辺海域におけるアイゴ類の生態
 4.2 アイゴの採食行動の特徴
 4.3 食性と行動生態を調べる
 4.4 アイゴのアラメ・カジメ摂食に及ぼす流動と水温の影響

第5章 植食生魚類を獲る
 5.1 植食性魚類の漁獲方法
 5.2 バリ釣り

第6章 植食性魚類を食べる
 6.1 利用文化
 6.2 アイゴの干物
 6.3 変わりゆく流通
 6.4 アイゴの臭い消しと食用化への挑戦
 6.5 すり身加工技術の開発

第7章 魚の磯焼けは回復するか
 7.1 これまでの取り組みと要素技術
 7.2 磯焼けと藻場回復-魚とのつきあい-
 7.3 新たな試行錯誤
 7.4 冷たい海洋深層水で藻場を守れるか
 7.5 これから何を考えるべきか


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カテゴリー:水産 
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