How to ロープ・ワーク


978-4-425-48092-0
著者名:及川 清・石井七助・亀田久治 共著
ISBN:978-4-425-48092-0
発行年月日:2005/12/28
サイズ/頁数:B6判 144頁
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基本的なロープの結び方、これを応用した各種の実用的な結び方・装飾的な結び方をイラストを中心にやさしく解説。万人向きの結びの本。

【まえがき】より
わたくしの家業の関係からか、小学生のころからロープを手にするようになったが、当時は、“よぼい”や“さつま”と読んでいた“垣根結び”や“ショート・スプライス”、あるいは“もやいむすび”などができる程度であった。
ところが戦時中の中学校の動員先が航空機の格納庫用天幕や爆弾用の落下さんの製作工場であったため、ここでもロープ・ワークやキャンバス・ワークをいや応なしに体得させられた。そして、戦後、清水の学校に入学すると、運用実習という授業で再度ロープを経験したうえ、さらに卒業後は海王丸や日本丸などの8年間の練習船生活を通じて習得した技能を、実践し指導する豊富な機会に恵まれた。
とくに、日本丸のウェルデッキで大槻航海士に、昔話しを交えながら示された“縄結びのいろいろ”は、30年近く経った現在でも忘れることなく、懐かしく思い出としてよみがえってくるばかりか、古い時代の過酷な帆船生活の憩いのひとときに、自らも浸った経験があるような錯覚に陥ることさえある。練習船生活の後に大学にもどって、約10年ばかり端艇(カッター)を漕ぎ帆走し、あるいは技業の指導にタッチし、この道の先達である鈴木武男教官や石井七助教官、あるいは小泉栄次郎技官などと一緒に、舟艇やその帆走用具などの整備をする機会を得た。
このころからロープ・ワークに関する外国の文献も容易に入手できるようになり、従来は口伝や体験で受け継がれてきた技術の成果を、文献による裏付けることができるようになった。そこで、従来航海実習教室において、帆船大成丸から鈴木、石井という流れにのって受け継がれてきた、いわゆる“東京商船大学の海岸流のロープ・ワーク”をまとめておくことも必要ではないかと考え、機会を積み重ねてきた。
ロープ・ワークは古来から伝わるものであり、種類は多様であっても新しい独自のものを見つけることはきわめて困難で、いずれの文献においてもほぼ類似のものとなってしまうのはやむを得ない。一方、その著者の観点によって、内容の商店が変わることも当然である。
ここでは、ロープ・ワークの基本とその組合せの流れおよび運航者の立場からみたロープ・ワークの応用に商店を当てたつもりである。ロープの結び方は、自らが手を触れてみなければ知ることができないし、それが正確でしかも効果的なものであるかどうかは、現実的な仕事をしてみないと理解できない。本書がそのような点での適確な指針の一助になれば幸いである。
終りに、本書をまとめるに当って参考にさせていただいた各種の文献とその著者、および直接にご指導を賜った。今は亡き大槻、鈴木、小泉の諸先輩に深く感謝する次第である。また、岡田正明、鞠谷宏士、岩井聰の各先生に諸々のご指導をいただいた。この場を借りてお礼を申し上げたい。

1985年9月
著者代表 及川 清

【目次】
ロープの基本
1 結びの基礎
 1-1 ロープの用途
 1-2 ロープの各部の名前
 1-3 結びの基本
 1-4 結び目の仕組み
 1-5 結び目の特徴
2 ロープをほかのものに結ぶ
 2-1 ロープを巻きつける
 2-2 ロープを掛ける
 2-3 バック・ハンド・ヒッチによる結び方
 2-4 一結びによる結び方
3 ロープを結ぶ
 3-1 1本のロープによる結び目
 3-2 2個の曲げの組合せで作る結び目
4 ロープの接ぎ結び
 4-1 同じ太さのロープの接び結び
 4-2 違う太さのロープの接ぎ結び
 4-3 糸を使った接ぎ結び
 4-4 2個の曲げまたは輪の接び結び

ロープの応用
5 ロープの使い方
 5-1 荷造用ロープの掛け方
 5-2 荷台に掛けたロープの止め方
 5-3 非常脱出用ロープの作り方
 5-4 作業台の作り方
 5-5 物を上げ降ろしするときのロープの結び方
 5-6 円材などの縛り方
 5-7 鈎にロープや糸を結ぶ
 5-8 鈎針の結び方
 5-9 ロープに結び輪を作る方法
 5-10 柱や円材にロープを滑らないように縛る方法
 5-11 円材やロープに滑らないように輪綱を掛ける方法
 5-12 両端に力の加わるロープの中央部を杭や鈎などに
      滑らないように掛け結びをする方法
 5-13 アンカーのリングやチェンにロープを結ぶ方法
 5-14 括着(シーリング seizing)
 5-15 ロープの格納方法
6 ロープで飾る
 6-1 2本のロープまたは子綱による飾り結び
 6-2 三つ撚りロープの端の節結び
 6-3 たが結び(タークス・ヘッド turk’s head)
 6-4 マット結び
 6-5 飾りひもの編み方
 6-6 その他の飾り結び


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カテゴリー:船舶(航海・機関・運用) 
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