航海計器シリーズ3 新訂 電波計器


978-4-425-43057-4
著者名:若林伸和 著
ISBN:978-4-425-43057-4
発行年月日:2023/5/18
サイズ/頁数:A5判 256頁
在庫状況:予約
価格¥4,400円(税込)
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最新機材を網羅した、全面改訂版です。
現在の航海に不可欠な衛星航法装置、レーダー、AIS(船舶自動識別装置)を中心に、理論と実務的な使用法を丁寧に解説。専門知識の習得に役立つ用語集を追加。海技士の試験対策にも役立つ内容です。

【はじめに】 近年,船舶運航の分野では自動航行や自律運航のシステム開発が注目されており,様々な業種,機関において研究開発が進められています。その際に重要となるのは,この数十年の間に急速な進歩を遂げている「情報通信技術」すなわちコンピューターと情報ネットワークを中心とした技術でしょう。
電波を利用した通信技術の1つの応用として,船舶運航に用いられる電波利用の計器,機器が発達してきました。具体的には,無線通信機(電信や電話),レーダー,地上波利用の電波測位システム,衛星航法システム,AIS などがあげられます。このうち,レーダーについては1950年頃,航海用として実用化され,ほどなくARPA(Automatic Radar Plotting Aids,衝突予防援助装置。現在ではTT:Target Tracking と呼ばれる)の機能が付加され,現在でも船橋における操船業務のなかで重要な要素となっています。また,自動化船の実現においても周囲障害物等の検知に利用することが想定されます。もう1 つ,現在の船舶運航において重要なものとしてGPSに代表される衛星航法システムがあげられるでしょう。当初,米国によるGPSが1990年頃以降に実用化され,ロシア(当時のソ連)や欧州,中国などでもそれぞれ独自に衛星測位システムの開発が進められて,現在ではいくつかのシステムが利用可能となっています。
ECDIS(Electronic Chart Display and Information System,電子海図情報表示システム)はナビゲーション システムとして船橋における従来の操船の形態を画期的に変化させましたが,その実現において自船の測位に衛星航法システムは不可欠となっています。
本書は,「詳説 航海計器(成山堂書店)」を再構成するかたちで,衛星航法とレーダーやAIS に絞って,実務の観点から,より平易に説明することを心がけてまとめました。他の航海計器や機器については,「詳説 航海計器(成山堂書店)」で説明していますので,そちらも参照してください。また,電波計器の基礎となる電気電子通信工学については「舶用電気・情報基礎論(成山堂書店)」で説明しています.必要に応じて参考にしてください。

2023 年5月

【目次】
第1章 電波と無線
 1.1  電波とは
 1.2  電波の利用と無線通信
 1.3  送受信機とアンテナ
 1.4  電波航法への応用

第2章 電波航法とその歴史  2.1  電波航法システムの発展
 2.2  無線方位測定機
 2.3  双曲線航法(ロラン,デッカ,オメガ)

第3章 衛星航法システム  3.1  GPSの概要
 3.2  GPS衛星と電波
 3.3  位置の計算(測位の原理)
 3.4  GPSの測位誤差
 3.5  測地系
 3.6  D-GPS(ディファレンシャルGPS)とSBAS
 3.7  GPS受信機とその使用
 3.8  その他の衛星測位システム
 3.9  GPSコンパス

第4章 レーダーとTT  4.1  物標の探知
 4.2  レーダーの機器構成
 4.3  表示方式(モード)
 4.4  レーダーの性能
 4.5  レーダーの取扱い
 4.6  ビーコンとSART
 4.7  映像の判読
 4.8  チャート重畳表示機能
 4.9  TT(Target Tracking)

第5章 AIS  5.1  AISの概要
 5.2  AISメッセージの送信
 5.3  AISの機器構成
 5.4  AIS他船情報の表示
 5.5  AIS使用の実際
 5.6  パイロット プラグ
 5.7  クラスB AIS(簡易型AIS)
 5.8  AIS関連システム


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カテゴリー:船舶(航海・機関・運用) 
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