海事・交通・水産・気象図書出版の成山堂書店

石炭・石油に比べてクリーンで高熱量のエネルギーであるLNG（液化天然ガス）は、環境問題や石油価格の高騰を背景に世界的に需要が拡大しており、これに伴い新たにLNG業界に携わる人も急増しています。これまでどおりの「安全運航」「安全荷役」を維持するためには、業界全体で基礎知識を共有することが不可欠でしょう。
このような状況の中、LNGに関する情報提供を手がけるダイアモンド・ガス・オペレーション?が三菱商事?の監修を得て「LNG船・荷役用語集」をあらわしました。
本書は、LNG船・荷役の業務に必要な用語を約2,000語収録し、豊富な図表・写真とともに簡明に解説しています。構成は、役，LNG船、気象と海象、海上輸送、基地とLNG、海事機関と関係法令、その他の7分類とし、通読すれば体系的に用語を習得できます。また、索引が充実していることも本書の特長のひとつであり、見出し語以外の用語も最も詳しい頁にアクセスできるように工夫されています。
LNGビジネスに携わって間もない人にとっては基礎知識の習得に役立つことはもちろん、中堅・ベテランにとっても、専門分野以外の知識の習得、情報整理、最新知識の収集などに役立つでしょう。ぜひ手元に備えておきたい一冊です。

【ご挨拶】より
2006年（平成18年）4月8日、当社ダイアモンド・ガス・オペレーション株式会社は創立15周年記念事業として、「LNG船・荷役用語集」を編著・発行いたしました。LNG船やLNG輸入量が飛躍的に増加する中、当時は、この種の実用書が乏しかったこともあり、LNGの受入・荷役に携わる方々には広くご愛顧いただいたものと自負しております。
初版後8年を経て、LNG業界を取り巻く環境は大きく変わりました．Q-flex、Q-maxなど超大型船の出現、東日本大震災による原発停止とスポット玉の急増、また米国ではシェールガス革命と、LNGビジネスへの注目度はますます高まっております。こうした中、新たに本書「LNG船・荷役用語集（改訂版）」を編著・発行できることは、この上ない喜びです。
改訂版では、用語全般の拡充・更新のほか、改定後の国際条約・規定類、推進プランとの多様化（二元燃料ディーゼウr・再液化装置・再熱型蒸気タービンの実用化）、テロ対策として再ガス化揚げ荷方式の開発、新パナマ運河・北極海航路の新情報についても取り込んだものとしております。使い勝手の向上をはかるべく、見出し語と索引語の充実にも努めました。
本書の編著に際しては、初版発行時と同じく、LNG船技術者として著名な糸山直之氏に大変なご尽力をいただきました。第一線でLNG受渡業務あるいはLNG船業務に携わる方々の協力も仰ぎ、海事専門書を多く手掛ける成山堂書店とも推敲を重ね、無事、今般の改訂版発行を迎えることができました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。
改訂版がLNG業界の皆様の仕事机に並べられ、長く活いただければ大変幸甚です。

【目次】
1.LNG荷役
　1.1　着桟
　1.2　荷役
　　1.2.1　荷役アーム接続など
　 　1.2.2　安全チェックとクールダウン
　 　1.2.3　LNG積込みと揚げ荷
　　1.2.4　検量と試料分析
　　1.2.5　燃料油・上水の積み込み
　1.3　離桟

2.LNG船
　2.1　一般部
　　2.1.1　要目・性能
　　2.1.2　船体部
　　2.1.3　機関部
　　2.1.4　電気部
　　2.1.5　救命・消防設備
　2.2　貨物部
　　2.2.1　貨物格納装置
　　2.2.2　貨物取扱い機器

3.気象と海象
　3.1　気象
　3.2　海象
　3.3　予報と警報

4.海上輸送
　4.1　航海とドック修繕
　　4.1.1　航海
　　4.1.2　船員
　　4.1.3　ドック修繕
　4.2　契約と保険
　　4.2.1　LNG売買契約
　　4.2.2　輸送契約と海上保険

5.基地とLNG
　 5.1　LNG基地
　5.2　天然ガスとLNG

6.海事機関と関係法令
　6.1　海事機関
　6.2　関係法令
　　6.2.1　国際条約
　　6.2.2　国内法規
　　6.2.3　船籍と検査

（海事図書）