イカ先生のアオリイカ学(2訂増補版)ーこれで釣りが100倍楽しくなる!ー


978-4-425-95603-6
著者名:富所 潤 著
ISBN:978-4-425-95603-6
発行年月日:2025/5/28
サイズ/頁数:A5判 176頁
在庫状況:予約
価格¥2,200円(税込)
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釣り人の「知りたい!」を釣り人目線で解説

好評につき、アオリイカ3種の近年の分布や、
アオリイカ釣りの今後の傾向を記述した新章を追加した、
改訂増補版をお届けします。

釣り人の「知りたい!」を釣り人目線で解説。
釣り人を魅了してやまないアオリイカ。でもハマればハマるほどアオリイカへの疑問が湧きませんか?本書は釣り人の知りたい情報や疑問から釣り人にありがちな誤解までイカ釣りのスペシャリストが楽しくお伝えします。知らなくてもアオリイカは釣れます。けれど知ってしまったらきっとあなたはアオリイカがもっと好きになること間違いなしです!



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【二訂増補版発行にあたって】

2017年に初版を発行して気が付けば8年。2021年に改訂増補版を発行して4年。編集部からまたまた増版になりましたと嬉しいご連絡を頂きました。ご購読頂いた皆様、誠にありがとうございます。
前回の改訂増補版から4年という年月が経ちましたが、筆者の周りを取り巻く環境も劇的に変化し、今は海と関わる時間もかなり増えました。それに伴って(というわけでは全くありませんが)、アオリイカ釣りも世界へと広がってきています。特に東南アジア諸国では空前のイカブームとまで言えるほどに人気となっており、アオリイカが海を渡って人気ターゲットとなったことはとても嬉しい限りです。おかげで筆者の行動範囲も日本のみならず世界に広がるようになっており、お隣韓国からタイ、マレーシアなど、4年前に改訂増補版を発行した時ですら全く想像がつかない状況になっています。
今回の改訂ではアオリイカの調理法についての新たな知見をもとに、非常に興味深いデータを掲載させて頂きました。具体的には近年流行りの「熟成魚」をイカでやったらどうなるのか?という、アオリイカファンならずともイカに興味のある方は皆さんが気になるテーマと言えるのではないでしょうか。
結果についても驚きの連続で、想像をはるかに超えるデータが示されました。そして今までの指標が全く通用しない可能性が示唆されるなど、今後のイカの保存・調理に一石を投じる結果となっています。イカはまだまだ分からないことばかり!ということで、今回は大幅に加筆させて頂きました。
皆さんの知的探求心を満たしてくれることになれば幸いです。

2025年4月
富所 潤 

【はじめに】

平成26年の横浜フィッシングショーである方から声を掛けられました。その人こそ大人気本『アオリイカの秘密にせまる―研究期間25年、観察した数3万杯―』の著者である広島大学大学院准教授 海野徹也先生であります。海野先生は私に会うなり「本を書きませんか?」と。突然の申し出と「本を書く」というフレーズに腰が引けてしまい、さすがにお断りするつもりでしたが、その真意をお聞きすると、普段私のブログや雑誌などの記事から、私が釣り人らしからぬ考察でイカ釣りを捉えており、普通の(?)釣り人とは違った視点でイカと接していると感じていたのだそうです。「あなたしか本を書ける人はいない!思ったことを書いていただければ大丈夫!」と、熱烈に説得されました。その言葉に、これなら本が書けるのではないか、釣り人発信の「本」を書いてもいいのではないかと思うようになりました。今思うと恥ずかしい限りですが、褒めちぎる言葉の羅列に完全に浮き足立ってしまい、気がつけば「はい、頑張ります!」と返事をしていました。
思い返してみると完全に部活の勧誘で甘い言葉を並べられた新入生そのものですが、よく考えてみれば海野先生は大学の先生なので学生をやる気にさせることなど、お茶の子さいさいだったのだと気がつきました。が、すでに時遅し。しかして、執筆スタートとなったのですが、これが想像以上に困難を極めました。集めた資料は数知れず、本、論文などの文献、学会発表の資料、時には国会図書館から資料を取り寄せ、面識のない先生に突然メールを送るなど、ありとあらゆる手段を使って資料を集めました。
その成果は予想を遥かに超えるものであり、これらの資料には釣り人が知りたい情報、事実がこれでもかと詰め込まれていました。そこには釣り人が大なり小なり誤解している事柄も多く、その隙間を埋めることが本執筆の意義との思いに至りました。そのため、専門用語はなるべく使わず、細かいデータも極力減らしました。『アオリイカの秘密にせまる』を読まれている方はぜひリンクさせながら読んでいただければより理解も深まると思いますのでそちらもあわせてお願いします。
なお、本執筆に際し多くの文献を引用・参考とさせていただきました。そして突然の質問に快くご協力をくださった三重大学 海洋生物学生物資源学研究科の宮崎多惠子准教授、資料提供をいただいた各地域の水産課の皆様、そして本書の完成に多大なる協力・アドバイスをいただいた徳島県立農林水産総合支援センター水産研究所の上田幸男先生、広島大学生物圏科学研究科の海野徹也准教授に心より厚く御礼申し上げます。

平成29年8月
富所 潤

【目次】

1 アオリイカの種類と生態を科学する

  ・アオリイカは3種類いる!
   シロイカ型 
   アカイカ型
   クアイカ(クワイカ)型
  ・港内のイカが釣れなくなるのは釣り人のせい? 

2 アオリイカの一生を科学する 

  ・アオリイカの寿命は1年?
  ・1年の行動パターン
   春と秋の行動パターンの違い
   日本海側と太平洋側での行動パターンの違い

3 アオリイカに関する言い伝えを科学する

  ・その言い伝えは本当?
  ・お米が豊作になる条件とは?
  ・アオリイカが豊漁になる条件とは?
  ・アオリイカがたくさん釣れる年のサイズは良い? それとも悪い?

4 アオリイカを解剖してみよう!

  ・いろんなイカのエンペラを見てみよう! 
  ・これってアニサキス? 

5 アオリイカ釣りの歴史を科学する

  ・アオリイカ釣りの歴史はエギの歴史だった! 
   エギング
   エギの発祥
   エギはいつ、イカにして? 
  ・この形になったのか? 
   エギは釣果重視?それとも見た目重視?
  ・ヤエン釣り
  ・ウキ釣り
  ・エギは魚?それともエビ?

6 エギのカラーを科学する

  ・「イカは色覚を持たない」は本当?
  ・「釣れる色」は存在する?
  ・アオリイカの視力ってどれくらい?
  ・イカの視軸ってなに

7 アオリイカのサイズの違いを科学する

  ・なぜ大きさにバラつきがあるの?

8 釣り人の影響を科学する

  ・アオリイカに対する釣りの影響

9 イカ料理を科学する

  ・アオリイカはいつ食べたら一番おいしいのか?
   鮮度(K値)の変化
   pH の変化
   ATPの変化
  ・透明度=鮮度? イカは透明が命!
  ・イカ墨は本当においしいの?
  ・今までの沖漬けは間違っていた
  ・世界のイカ料理あれこれ
  ・釣り人必見‼ 果たしてアオリイカの熟成は可能か⁉ 血抜きをしないアオリイカの熟成結果はイカに⁉

10  アオリイカ釣りの傾向と今後の予想

  ・シロイカ型の分布
  ・アカイカ型の分布
  ・クアイカ型の分布

【著者紹介】

神奈川県在住。現役整形外科医にしてイカ釣りのスペシャリスト。
日本のみならず世界を渡り歩く生粋のイカ釣り師。
その研究熱心な性格からイカに関する知識量は釣り人の域を超える。
最近の悩みはイカ釣りばかりで魚釣りに行けない事なのだとか……。


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