船体構造 構造編(改訂版) 船舶海洋工学シリーズ6


978-4-425-71482-7
著者名:藤久保 昌彦・吉川孝男・深沢塔一・大沢直樹・鈴木英之 共著
ISBN:978-4-425-71482-7
発行年月日:2023/8/8
サイズ/頁数:B5判 196頁
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価格¥4,180円(税込)
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船舶を中心として海洋構造物などにも適用できる船体構造と強度評価に関わる基本的事項をわかりやすくまとめました。

【船舶海洋工学シリーズとは】
船舶海洋技術に関わる科目ごとに、技術者が基本的に学んでおく必要がある事柄を記した基本図書。
公益社団法人 日本船舶海洋工学会能力開発センター教科書編纂委員会 監修 全12巻発行予定。

【まえがき】より
 本書は、船の構造設計や強度評価に携わる人たち、また船舶工学を学ぶ学生諸君が、基礎として学んでおくべき船体構造とその強度評価に関わる基本的事項をまとめたものである。船を直接の対象とするが、多くの内容は、海洋構造物などの浮体構造物全般に適用できる。
 まず。船の構造方式について説明し、船種に応じた構造方式の特徴と強度評価上の留意点を述べる。次に、過去に発生した構造事故から得られた教訓について説明する。さらに。船の構造設計および強度評価の標準的な手順を示す。以上の概括的な説明に続いて、船の強度評価のための具体的な要素となる、船に作用する荷重の種類、船の材料とその性質、荷重に対する構造応答解析法、さらに強度評価において考慮すべき破損モードについて解説する。構造応答解析とは、外力によって船に生じる変形および応力の解析をいい、これらの応答と、これに抵抗する構造物の強度を比較することにより強度評価が行われる。本書では、構造応答解析法として、船体を1本の梁と見なすときの曲げおよび捩り応答解析法について、特に基礎となる梁の理論を中心に、また船体の横断面や三次元板骨構造としての応答を扱うための骨組解析とFEM解析について説明する。
 なお、構造物および構造部材の強度については、船舶海洋工学シリーズの船体構造「強度編」にて解説する。また、本書では静的な構造応答のみ取り扱い、動的応答については船体構造「応答編」で解説する。
 本書は、応力・ひずみの概念や梁理論などの材料力学の基礎、また波浪中の船体運動や流体力などの運動力学と流体力学の基礎が、ある程度備わっている読者を前提としている。必要に応じてこれらの力学に戻りつつ、学んでいただきたい。本書を通じて、船の構造と強度に関する理解が深まることを期待する。
 なお、本書の執筆に当たっては大阪大学奥本泰久先生より多くのご教示をいただいた。ここに謝意を表します。

【目次】
1.船の構造
 1.1 船の構造方式
  1.1.1 船の構造のあらまし
  1.1.2 構造方式の種類
  1.1.3 隔壁
  1.1.4 二重底および二重船殻構造
  1.1.5 階層的な部材構成と荷重伝達
 1.2 代表的な船種の構造方式と特徴
  1.2.1 ばら積貨物船(bulk carrier)
  1.2.2 油タンカー(crude oil carrier)
  1.2.3 コンテナ船(container ship)
  1.2.4 自動車運搬船(pure car carrier)
  1.2.5 ガス運搬船(gas carrier)
  1.2.6 客船(passenger ship)
  1.2.7 高速船(high-speed vessel)
2.船の構造強度と安全性
 2.1 船体構造の破損モード
 2.2 構造事故からの教訓
  2.2.1 英国駆逐艦COBRAの折損事故
  2.2.2 Titanic 号の事故
  2.2.3 第4 艦隊事故
  2.2.4 戦時標準船の脆性破壊事故
  2.2.5 Exxon Valdez 号の座礁・原油流出事故
  2.2.6 老朽化ばら積み貨物船の沈没事故の続発
  2.2.7 老朽化タンカーの折損・重油流出事故の続発
 2.3 構造安全と構造規則
  2.3.1 船の安全に関わる規則体系
  2.3.2 IACS/CSR とIMO/GBS

3.船の構造設計手順
 3.1 構造設計のフロー
 3.2 構造強度評価

4.船体に作用する荷重
 4.1 表面力と体積力
 4.2 静的荷重
  4.2.1 静水圧
  4.2.2 浮力
  4.2.3 粒状、粉体貨物による静的荷重
 4.3 変動荷重
  4.3.1 1 自由度運動系の力の釣り合い
  4.3.2 変動圧力
  4.3.3 付加質量と造波減衰係数
  4.3.4 規則波中の変動圧力
  4.3.5 波浪強制力
  4.3.6 流体粘性に基づく力
  4.3.7 粒状・粉体貨物による変動荷重
 4.4 衝撃荷重
 4.5 荷重の種類
 4.6 船体構造解析と主要荷重
  4.6.1 縦強度と断面力
  4.6.2 横強度と変動圧
  4.6.3 スラミング、ホイッピング、スプリンギング
 4.7 荷重の伝達機構と船体の変形

5.船の材料とその性質
 5.1 材料の機械的性質
  5.1.1 引張り試験
  5.1.2 延性材料と脆性材料
  5.1.3 靭性
  5.1.4 疲労
  (1)疲労試験とSN 線図
  (2)εN 線図と低サイクル疲労
  (3)切欠効果
  (4)疲労き裂伝播特性
  5.1.5 クリープ
 5.2 船の材料とその物性
  5.2.1 船体用鋼板
  (1)溶接熱サイクルによる鋼材組織の変化
  (2)鋼材の溶接性と炭素当量
  (3)軟鋼(mild steel)
  (4)高張力鋼(high tensile strength steel)
  (5)低温用鋼材
  (6)その他の鋼材
  5.2.2 その他の船体構造材料
  (1)ステンレス圧延鋼材
  (2)アルミニウム合金(aluminum alloy)
  (3)FRP(Fiber Reinforced Plastics)
  (4)木材
  (5)鋳鉄
  (6)チタン合金
  (7)ゴム

6.船体梁の曲げ強度
 6.1 梁の剪断力と曲げモーメント
  6.1.1 船体梁の曲げ変形と内力
  6.1.2 静水中の荷重・剪断力・曲げモーメント
  6.1.3 波浪中の荷重・剪断力・曲げモーメント
 6.2 座標系
 6.3 梁の曲げ変形と応力
 6.4 梁の剪断変形と応力
 6.5 薄肉断面梁
  6.5.1 剪断流
  6.5.2 剪断中心
 6.6 船体梁の縦曲げのやや複雑な問題
  6.6.1 異なる材料からなる船体梁の曲げ
  6.6.2 上部構造と主船体の相互影響
 6.7 船体を梁として近似する場合の注意事項
 付録6.1 3 次元弾性体の基礎方程式
 付録6.2 Bernoulli-Euler 梁の理論
7.船体梁の捩り強度
 7.1 船体に作用する捩りモーメント
 7.2 一様捩りモーメントを受ける薄肉断面梁
 7.3 薄肉開断面梁の曲げ捩り
 7.4 コンテナ船に捩りモーメントが作用したときの挙動
 付録7.1 丸棒材の捩りについて
 付録7.2 薄肉閉断面材のSt. Venant の捩りについて
 付録7.3 薄肉開断面材のSt. Venant の捩りについて
 付録7.4 薄肉開断面材の曲げ捩りについて

8.船体の横強度
 8.1 荷重
 8.2 横強度計算法
  8.2.1 強度評価基準
  8.2.2 骨組解析
  (a)モデル化方法
  (b)スパンポイントについて
  8.2.3 FEM 解析などについて
  (1)タンカーの場合
  (2)ばら積み船の場合
  (3)自動車運搬船の場合
 付録8.1 板の曲げの有効幅について
 付録8.2 (8.2.7)式と(8.2.8)式の導出について

9.船体構造の破損形態
 9.1 破損の種類
  9.1.1 降伏・塑性変形
  9.1.2 座屈・不安定
  9.1.3 脆性破壊
  9.1.4 疲労破壊
  9.1.5 弾性変形(過大な変形)
  9.1.6 振動(共振)
  9.1.7 腐食その他
  (1)液体金属溶融割れ(亜鉛溶融割れ)
  (2)フレッチング破壊
  (3)クリープ変形、クリープ破壊
  9.1.8 重畳破壊
 9.2 船舶において想定される破損形態と損傷箇所の構造について
  9.2.1 座屈強度、最終強度
  9.2.2 疲労破壊

(海事図書)


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