ロボット工学概論 【改訂版】


978-4-425-65142-9
著者名:中川栄一・伊藤雅則 共著
ISBN:978-4-425-65142-9
発行年月日:2005/5/18
サイズ/頁数:A5判 162頁
在庫状況:在庫有り
価格¥2,640円(税込)
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ロボット工学の基礎となる技術を具体的な事例を用いてわかりやすく解説。構成図や写真なども多数掲載。最新ロボット技術を取入れた。

【まえがき】より  ロボットは、20世紀を迎え、動力源やセンサー、コンピュータ、ソフトウェア、材料など周辺技術の画期的な進歩を背景として、人間に代わって仕事をする機械を持ちたいという人類の有史以来の夢を実現すべく、研究開発が行われてきた。それは、可能なレベルから実用化を図るという方式を採り、まず、人間の肩関節から先の構造を模擬したマニピュレータが実用化され、製造業における生産の合理化を実現した。そのため、マニピュレータ抜きにはロボットは語れなくなり、研究の対象や関連書籍もマニピュレータを扱うものが主流となっていた。本書も旧版については、その類に属するものと言ってよい。しかし、ひとたび人間型ロボットが出現するや、ロボットはまさに百花繚乱の相を呈し、完全体でなければロボットとはみなされない時代となった。このときロボットを扱う書籍はどうあるべきか。二足歩行で歩き、両手で物を持ち、人と対話をし、状況を判断しそれに基づいて行動する。このような問題は、マニピュレータの延長として片付けられない複雑なもので、取り上げる教科書も現れていない。しかし、これからロボットを勉強する人にとって、むしろ人間型ロボットのほうが身近になっている現実を見るとき、教科書も人間型ロボットからはじめるべきではないか、そのような気持ちから改訂版の筆を進めた。
 もちろん、ロボット工学が、いろいろな分野にまたがった総合科学であることはいうまでも無い。また、本書の対象が、機械工学、自動制御工学、メカトロニクスなどの分野を学ぶ理工学系の学生やロボット工学を初めて勉強する技術者の方々を対象とする基礎的な技術に重点を置くことは旧版と同様である。
 校正は全体を8章に分ける。第1章では、人間の歴史の中でのロボットの位置付けについて述べ、第2章から第4章でまずロボットの構成要素を説明する。第2章はロボットを構成する機構について、第3章ではロボットに使用される各種のセンサーを、第4章で体躯を動かすアクチュエータを詳説する。後半の第5章から第8章では、こうして構成されたロボットの動かし方を説明する。まず第5章で、運動制御の基礎となるサーボ制御について触れ、第6章ではロボットの運動を実現する為の各関節の動かし方、すなわち、サーボ制御の目標値の設定方法について、第7章では、歩行や把持などの具体的な運動の実現方法について、最終の第8章では、ロボットの高度化・高機能化に向けての最大の課題である知能化について概説する。
ロボットと人間の共存、人間生活を豊かにすることを目的にロボットの研究・開発が進められている。本書はその技術的背景を概説することで、今後の更なる探求の糸口となることを念頭に置いている。しかし、ロボット技術は今や、遺伝子工学と同様に、研究・開発者の倫理観が問われる状況に入ったのも事実である。読者には、このような状況も併せ認識し、ロボット技術を継承し発展させて頂きたい。
 最後に、本書をまとめるにあたり、多くの方々の著書・研究論文・解説記事・製品技術などの資料を参考にさせて頂いたことを記し、これ等の方々に心より敬意を表させて頂くと共に、(株)成山堂書店の関係諸氏に篤く御礼申し上げる。

2005年4月
著者

【目次】
第1章 ロボットの概念と歴史

 1.1 ロボットとは
 1.2 ロボットの歴史
 1.3 ロボットの種類
 1.4 ロボットの基本構成

第2章 ロボットの機構
 2.1 基本機構
  2.1.1 リンク機構
  2.1.2 減速機構
 2.2 アームとハンドの機構
  2.2.1 アームの構成
  2.2.2 アームの機構
  2.2.3 関節の構造
  2.2.4 ロボットアームの構造例
  2.2.5 ハンドの機構
 2.3 移動機構
  2.3.1 車輪型移動機構
  2.3.2 クローラ型移動機構
  2.3.3 歩行型移動機構
  2.3.4 その他の移動機構
 2.4 その他の機構
  2.4.1 頭部の機構

第3章 ロボットのセンサー
 3.1 センサーの体系
 3.2 内界センサー
  3.2.1 概要
  3.2.2 主な内界センサー
 3.3 外界センサー
  3.3.1 視覚
  3.3.2 聴覚
  3.3.3 触覚
  3.3.4 嗅覚
  3.3.5 味覚
  3.3.6 平衡感覚
 3.4 ロボットの視覚
  3.4.1 視覚の種類
  3.4.2 視覚の機能
 3.5 ロボットの聴覚
  3.5.1 聴覚の種類
  3.5.2 聴覚の機能
 3.6 ロボットハンドの感覚
  3.6.1 握る
  3.6.2 つかむ
  3.6.3 回す
  3.6.4 その他の感覚

第4章 ロボットのアクチュエータ
 4.1 回転型
  4.1.1 電気式アクチュエータ
  4.1.2 油圧式アクチュエータ
  4.1.3 空気圧式アクチュエータ
 4.2 直進型
  4.2.1 電気式アクチュエータ
  4.2.2 油圧式アクチュエータ
  4.2.3 空気圧式アクチュエータ
  4.2.4 その他のアクチュエータ

第5章 サーボ機構の制御
 5.1 基本制御システム
 5.2 サーボ機構
  5.2.1 サーボ機構の形式
  5.2.2 電気式サーボ機構
  5.2.3 油圧式サーボ機構
  5.2.4 空気圧式サーボ機構
  5.2.5 ソフトウェアサーボ
 5.3 サーボ機構の解析
  5.3.1 解析の流れ
  5.3.2 ラプラス変換
  5.3.3 伝達関数とブロック線図
  5.3.4 1リンクロボットアーム制御系の解析

第6章 ロボットの運動解析
 6.1 座標変換
  6.1.1 ベクトル
  6.1.2 並進変換
  6.1.3 回転変換
  6.1.4 同次変換
  6.1.5 n段の座標軸
 6.2 ロボットアームの位置と姿勢
  6.2.1 ロボットアームとハンドの位置
  6.2.2 ハンド姿勢の表し方
  6.2.3 ロール・ピッチ・ヨー角による姿勢の表し方
  6.2.4 ハンドの位置・姿勢より各関節の変位を求める方法
 6.3 ロボットアームとハンドの速度
  6.3.1 ハンドの速度と角速度
  6.3.2 ハンドと関節の速度の関係

第7章 ロボットの運動制御
 7.1 ロボットアームの運動と制御
  7.1.1 アームとハンドの位置の姿勢の制御
  7.1.2 軌道計画
 7.2 ハンドの運動と制御
  7.2.1 把持
  7.2.2 摘み
  7.2.3 操り
 7.3 力感覚を持つアームとハンドの運動制御
  7.3.1 ハンドに力センサーを持つシステム
  7.3.2 アームに力センサーを持つシステム
 7.4 遠隔操作のためのアームとハンドの力制御システム
  7.4.1 システム構成
 7.5 ロボットアームの先進的制御
  7.5.1 力・位置ハイブリッド制御
  7.5.2 双腕協調制御
  7.5.3 複数ロボット協調制御
 7.6 移動機構の運動と制御
  7.6.1 移動制御の要件
  7.6.2 車輪型
  7.6.3 クローラ型
  7.6.4 人間型
  7.6.5 多足歩行

第8章 ロボットの知能化
 8.1 知能とは
  8.1.1 知能化
  8.1.2 知能化の対象
 8.2 知能ロボットの構成
 8.3 知能ロボットの役割
 8.4 知能ロボットの現状と今後の課題
  8.4.1 現状
  8.4.2 今後の課題

(海事図書)



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カテゴリー:船舶(航海・機関・運用) 
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