読了『売上最小化、利益最大化の法則』

売上拡大を目指すのは、事業を継続していく上では必要なことだけど、もう一つ大事なことは利益の確保。いくら売上をあげていっても会社にお金が残らないのであれば、会社は存続することができなくなってしまう。

利益を出す方法として、経費の見直しが言われる。昨今においては、経費がかなり縮小している会社が多いのではないだろうか。外出することが少なくなり、接待交際費や交通費など、がくんと落ちたところもあるはず。そうやっていけば自然と利益は出る。では、売上はどうか?

経費削減ばかりに気を取られ、肝心の売上までも減ってしまっては元も子もない。投資したことに対して、どのくらいの利益が出ているのかを見るのが大事なこと。なにかを行ったら、効果測定をして、費用対効果がどうだったのかを見ていく。投資すれば売上もあがっていくかもしれないけども、お金もたくさん出ていく。利益が取れていれば続ければいいけど、そうじゃなければ見直さなければならない。そのためにも、どのくらい投資していくのか基準を決める必要がある。

そんなことが、この本には書かれている。タイトルのように必ずしも売上を小さくしろというものではない。基準を決めて、投資に対する効果を検証していき、最適な売上と利益をあげていきましょうということ。

そして、数字で考える癖をつける。目に見えるお金の動きではなく、自分の動き、上司の動きなど、人件費がどのくらいかかっているのかも考える。「そんな細かいことまで考えると息苦しいよ」と思うかもしれないけども、お金は無尽蔵にあるわけではない。限られた中でやっていくわけだし、売上の中から、利益の中からでしか事業活動を続けていくことはできない。自分のお金にしたってそうでしょ? 無限にあるわけではないし、毎月のお給料の中から生活するわけだから、数字で考えないとお金がなくなってしまう。

著者の会社は100億円規模だけども、それよりも小さい会社にだって当てはまる。どんぶり勘定ではなく、細かく数字を見ていき、費用対効果がどうだったのかを見ていく習慣を身に着けよう。