列車ダイヤと運行管理(2訂版) 交通ブックス116


978-4-425-76153-1
著者名:列車ダイヤ研究会 編著
ISBN:978-4-425-76153-1
発行年月日:2016/4/28
サイズ/頁数:四六判 288頁
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¥1,980円(税込)

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鉄道会社の輸送のプロの教科書にもなり得るとともに、「鉄道」に興味をお持ちの方々の入門書としても最適です!
部門の連携を図り、鉄道運行を支える列車ダイヤ。ダイヤ作成には、需要予測、列車計画の諸条件や仕組みなどへの理解が必要です。日々の運行のためにダイヤはどのように構築されているのか?ダイヤ作りと運行管理の実際がわかる1冊です。

◆以下の情報を盛り込んだ2訂版!◆ ・上野東京ライン、北陸新幹線、北海道新幹線開業のダイヤ改正まで対応した2訂版
・執筆はJR東日本運輸車両部所属の方たち
・列車を自国と位置で表し、安全・正確な輸送を支えるダイヤのすべてを豊富なデータと図版写真で解説

【2訂版によせて】より  平成23(2011)年、我々にとって忘れることのできない東日本大震災が発生した。新幹線をはじめとして、多くの路線が長期間の運休を余儀なくされることとなった。
こうした状況の中、関係の皆さまのご支援も頂きながら、震災で不通となった区間の運転を少しずつでも再開させていったが、東北新幹線が49日ぶりに運転再開した際、沿線の多くの方が「おかえり」と手を振って迎えてくれた光景を深く胸に刻んでいる。
震災からの復興はまだ道半ばではあるが、「地域との絆」を再認識し、鉄道というインフラを担う企業として社会に貢献し続けていく使命を我々は負っている。
最近の当社のダイヤ改正施策に目を移してみると、平成27(2015)年に北陸新幹線、平成28(2016)年に北海道新幹線が開業し、北陸、北海道に新たな風を吹き込んでいる。首都圏では平成27(2015)年、上野東京ラインが開業して輸送ネットワークが拡がった。
こうした新たな路線の開業もあり、列車ダイヤが大きく変化してきている。特に、上野東京ラインや湘南新宿ラインなどの直通サービスが増えており利便性が向上しているが、一方、輸送障害が発生した際、当該路線だけでなく他路線への影響も大きくなるリスクがあり、従来以上に高度な運行管理の能力が問われている。そうした運行管理についても本書でページを割いた。
最後に、本書の改訂にあたっては、関係諸氏のご尽力により何とか完成にこぎつくことができた。この場を借りて厚くお礼を申し上げたい。

平成28年3月
2訂版執筆者代表
小西雄介

【はしがき】より 日本に鉄道が誕生してから既に136年が過ぎた。この間、官営鉄道の建設、民営鉄道の創業、鉄道国営化、戦後の公共企業体、国鉄の分割民営化等、現在のJRグループの前身を見ただけでも経営の形態は様々な変遷を経てきた。また、日本の近代化は、明治、大正、昭和、平成と時代が移り、21世紀を迎えた今、社会生活はさらに効率や便利さを求め変わろうとしている。
鉄道は総合技術といわれ、土木、建築、機械、電気、情報システム等様々な技術分野が総合され、経験と挑戦を繰り返しながら全体のシステムを発展させてきた。日本の鉄道は、文明開化により欧米から得た技術・文化であったが、日本人はこれを上手に使いこなし、日本ならではのシステムを作り上げてきた。その結果が諸外国と比べて高い安全性と正確性に現れているといっても過言ではない。その元となるのは専門家によって組まれた列車ダイヤである。列車を時刻と位置(駅)で表すダイヤグラムの基本は明治以来変わらず続いている。
輸送機関の最も重要な条件は安全である。鉄道の長い歴史は事故との戦いの歴史といっても過言ではない。鉄道の運行は安全をすべての基本に置いた上で、様々な部門の従事員の連携によって成り立っている。列車の発車や到着ホームを示す信号の制御は駅や指令部門の社員が担い、運転士、車掌は携帯した時刻表を確認し示された信号に従って運転を行う。また、保守部門の社員は列車ダイヤや携帯端末で列車の時刻を参照、安全を確認して業務に当たる。列車ダイヤは各部門間の連携を図るための共通語としての重要な役割を持ち、安全・正確な運行を支えている。列車ダイヤの作成に携わる者は、その重要性を認識し、より質の高いダイヤ作りを目指し、安全の確保を業務の基本に置き取り組んでいる。
本書では、列車ダイヤとはどういうものか、何を表しているのかという基礎的な部分を紹介した上で、線路の改良や車両の構造が列車ダイヤとどのように関連するかの面について力を入れた。また、具体的なテーマについては、筆者の経験を中心に記述したため、JR東日本の発足から20年における事柄が主体になっていることをご容赦いただきたい。

平成20年11月
列車ダイヤ研究会

【目次】
第1章 列車ダイヤを取り巻く課題
・鉄道の使命の変化と列車ダイヤ
・利用者から見た列車ダイヤ
・事業者から見た列車ダイヤ

第2章 輸送需要に基づく列車ダイヤ編成 ・輸送量を表す様々な指標
・需要の予測
・競争環境の中の列車ダイヤ

第3章 鉄道輸送におけるダイヤの意義 ・列車の種類
・ダイヤの読み方
・列車番号のつけ方
・湘南新宿ラインの列車番号(平成27(2015)年3月改正以前)
・上野東京ラインの列車番号(平成27(2015)年3月改正以降)
・営業用の列車名と列車番号との関係
・ダイヤの種類と用途
・列車ダイヤの基礎
・列車ダイヤの種類
・E電ダイヤ
・ダイヤの実例?
・ダイヤの実例?

第4章 列車設定の条件 ・列車設定の条件
・車両性能と線路条件
・運転曲線による運転時分の算出
・到達時分短縮の方法と効果
・運転間隔短縮の方法と効果
・相互発着による時隔短縮
・折り返し駅における運転時隔
・駅の配線と列車ダイヤ
・車両基地の整備
・車両の新造・転配計画
・JR東日本の車両配置の考え方
・車両の運用計画
・乗務員の運用計画

第5章 ダイヤ改正 ・ダイヤ改正の位置づけ
・ダイヤ改正の時期
・ダイヤ改正の流れ
・輸送改善計画の策定
・設備改良計画と車両投入計画の決定
・営業戦略と輸送戦略
・ダイヤ作成作業
・輸送総合システム
・会社間の調整
・ダイヤ改正のプレス発表
・改正前日からの移り替わり
・ダイヤ改正後のトレース

第6章 臨時列車の輸送計画 ・需要の波動性と輸送計画の策定
・ジョイフルトレインによる着地営業
・夜間の保守間合い
・各種工事に伴う輸送計画
・甲種鉄道車両の輸送計画

第7章 新幹線の列車ダイヤ ・大宮開業から上野開業まで
・東京開業(平成3年6月改正)
・山形新幹線開業(平成4年7月改正)
・階建て新幹線登場
・遠近分離の列車体系(平成年12月改正)
・秋田新幹線開業(平成7年9月改正)
・長野新幹線開業(平成3年10月改正)
・八戸開業(平成14年12月改正)
・平成16年3月改正
・新幹線ダイヤの特徴
・平成17年12月改正
・平成20年3月改正
・平成21年3月改正
・新青森開業(平成22年12月改正)
・「はやぶさ」デビュー
・東北新幹線の段階的高速化平成24年3月?平成26年3月改正)
・平成24年3月改正
・平成24年9月改正
・「はやぶさ」320km/h運転・E6系デビュー(平成25年3月改正)
・平成25年9月改正
・平成26年3月改正
・北陸新幹線金沢開業(平成27年3月改正)
・北海道新幹線新函館北斗開業(平成28年3月改正)
・車両運用の変遷
・今後の展望

第8章 東京圏の列車ダイヤ ・高密度運転を実現する条件
・混雑緩和
・ネットワークの充実を目指したダイヤ
・湘南新宿ラインの輸送計画
・上野東京ラインの輸送計画
・相互直通運転
・着席サービスの提供について
・スワローサービスおよび新たな着席サービスについて
・車両の座席配列
・ダイヤの変更による利便性向上
・通勤時間短縮の取組み
・中央快速線のダイヤ
・桜木町駅接続ダイヤ
・快速電車の停車駅
・グリーン車の連結拡大

第9章 在来線の列車ダイヤ ・在来線の特急列車
・夜行寝台特急列車
・地方圏の列車ダイヤ

第10章 輸送総合システム ・計画伝達システムの導入
・計画作成システムの導入
・輸送総合システムの更新
・現在の輸送総合システム

第11章 輸送管理 ・輸送障害の防止対策
・人身事故について
・輸送障害発生時の早期復旧対策
・輸送指令の組織
・輸送指令員の養成
・東京圏の輸送管理
・ATOSの導入
・運転整理の考え方
・延発
・通知運転
・列車遅延時の運転整理の例
・途中駅折り返し運転
・運休による運転整理
・ATOSの効果と課題
・新幹線の輸送管理について
・新在直通運転
・COMTRACからCOSMOSへ
・災害時における輸送
・山陰本線余部橋梁における列車転落事故
・上越線渋川?敷島間における列車衝突事故
・武蔵野線新小平駅における隆起災害発生時における輸送の確保
・首都圏大雪に伴う輸送障害
・東日本大震災の対応
・上野東京ライン開業の対応

第12章 今後の課題 ・相模鉄道とJR線相互直通運行
・東北新幹線の高速化とネットワークの拡充について
・震災で流失した線区の復興
・中央快速線等へのグリーン車サービスの導入について
・東京2020オリンピック・パラリンピックについて
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