現代の海賊−ビジネス化する無法社会− 交通ブックス214


978-4-425-77131-8
著者名:土井全二郎 著
ISBN:978-4-425-77131-8
発行年月日:2004/08/28
サイズ/頁数:四六判 224頁
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海賊というと何となくロマンを感じる向きも少なくないかと思いますが、そもそも、外航船の運航に携わる船員や関係会社の人たちは別にして、今でも世の中に海賊が存在するなどとは、世の多くの人は考えたことすらないのではないでしょうか。しかし、この本を読んでいると、海賊はたしかに今もいて、そして「現代の海賊」はとてもロマンを感じるような存在ではない、ということがわかってきます。
近頃は生活のために船を襲って金品を奪う古典的な海賊ばかりか、組織的に船ごと奪って積荷をそっくり闇から闇に処分してしまうグループや、政治的な目的で活動するテロリスト・グループまで、その世界は複雑化し、襲撃件数も増加傾向にあるといいます。実際、日本船舶の被害は少なくないのです。
著者は元朝日新聞編集委員で、現役時代から海賊に関心を持ち、資料を集め、現代の海賊について何度か記事も書いてきたといいます。
本書では、こうした海賊のもたらした被害の実例や、対応策を講じる国際的な動き、具体的な対策の例などに、海賊の歴史やさまざまなエピソードをはさみながら話が進んでゆきます。深刻な事態が世界各地で起きており、多くの船員が危険にさらされていることを知って欲しいと願う著者の気持ちが伝わってくる内容です。文章は新聞記者だっただけに明快でよどみがなく、小説か随筆でも読むかのように最後まで読み切ることができます。

【目次】
第1章 海賊とはなにか
 今の世の中で海賊なんて
 船舶史と重なる海賊史
 ドクロ旗のもとに
 海賊の定義と対応

第2章 いま目の前の海賊
 アンナ・シエラ号事件
 テンユウ号事件
 アロンドラ・レインボー号事件
 凶悪化する海賊行為

第3章 世界の海は「海賊の海」
 03年上半期は過去最悪
 マラッカ海峡波高く
 狙われる日本関係船舶
 海賊行為を許す要因
 恐るべき海賊被害の悪夢

第4章 自海賊の言い分
 現代の「寄物」として
 海峡の人びと
 海峡は誰のものか
 海賊の掟
 ビジネス化する海賊社会

第5章 海賊対策はあるのか
 海賊防止対策要領
 IMB式防御方法
 海賊退治を旗印に
 浮かび上がる問題点
 「わが社」の海賊対策

第6章 現代の海賊を考える
 頻発するテロ事件
 海上人命安全条約の改正
 幽霊船がゆく


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