読了『ぷかぷか天国』

『ツバキ文具店』を読んでから、小川糸さんのファンになった。柔らかいという表現がピッタリとはまる文章が、僕の心にすっと入ってくる。『ライオンのおやつ』を読んでから、そしてNHKのドラマを見てから、より好きになった。

この本も、小説なのかと思いきや、どうやら著者の日記みたいだった。読み始めはフィクションなんだろうなと思いきや、どうやら違う。「ペンギン?誰だ?」と思っていたら、どうやらご主人のようだ。最初はペンギンを飼っているのかと思ってしまった。

読みすすめるうちに、ようやく本人の日記と気づく。主にドイツでの生活。小川糸さんのファンじゃなければ、どうでもいい話ばかりだけど、ドイツでの生活がとても興味深かった。行ったことないけど、「こんな風景かな?」と想像しながら読むのが楽しい。

文中で、いまの僕の心に刺さった文章。

「ラトビアに伝わる十の心得」

正しい心で、
隣の人と仲良くしながら、
誰かのために、
まじめに楽しく働いて、
分をわきまえ、
清らかに、美しく、
感謝の気持を忘れずに、
ほがらかに、すこやかに、
気前よく、
相手の心に寄り添いながら。

あれもこれもと欲するのではなく、いまという時を楽しく過ごしていく。そんな感じかな。時間は限られているし、その中でできることも限られる。あれもこれもじゃなく、いまできることを思いっきり楽しんでやっていこうよ。

なんだか心が軽くなった一冊でした。