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実例でわかる漁業法と漁業権の課題

なぜ日本の漁業は世界の水準から遅れ、衰退しているのか?漁業制度の根幹である「漁業法」と「漁業権」の思想と目的・成り立ちを、原点である江戸・明治時代に遡り、改革を成功させた外国と比較することで、日本の漁業制度の根本的な問題点が見えてくる! 【はじめに】より 日本の漁業法制度をわかりやすく解説した本に遭遇したことがない。水産庁の時代から諸先輩が水産業協同組合法と漁業法の解説を書いているのを脇から見たことがあるが,大局的に,法の思想と目的まで解説したものではなく,漁業法や水協法などの一部改正が,技術的に行われた際に,それに対する解説コメントが中心で,到底わかりやすいといえるものではなかった。私はこの10年間にわたり,「水産業についての専門知識を修得する研修」の責任者を務めており,そこで水産業の基礎編を教え,試験を実施している。しかし,試験の成績が毎年悪くなっていく傾向にあったことから,この原因……

ズワイガニの漁業管理と世界市場

TAC(総漁獲可能量)による漁業管理が行われているズワイガニ。漁獲、加工、漁業管理など実態に基づき分析するとともに、その世界市場の構図を鳥瞰する。果たして、個別割当制度は機能するのか。海外事例の緻密な分析により検証する。 【はじめに】より 今日、世界における水産資源の利用は、ローカルとグローバルの両面を持って展開している。すなわち、海洋生物資源の多くは排他的経済水域(以下、EEZ:Exclusive Economic Zone)の設定により、沿岸国に囲い込まれてしまった。そして、沿岸国による資源の合理的利用、すなわち漁業の望ましいあり方が模索されている(ローカルな側面)。一方で、水産物は国家の境界を超えて流通するようになり、生産(漁獲)から国を超えた加工や消費といった世界的なフードシステムの視点で理解することが必要になっている(グローバルな側面)。 本書で紹介する一連の研究は、著……

それゆけ、水産高校!−驚きの学校生活と被災の記録−

水産にかかわった事のない普通の国語教師が、新たに着任した水産高校での生活を写真と文章で綴ったも内容。もともとは、自身が着任当時(平成22年)からスタートした、ブログ「水産高校だより」がベースになっている。独特な授業内容や施設、純朴な生徒や熱意ある教員との接触など、水産高校のもつ魅力が描かれている。題材は、著者の好奇心のままに選ばれているものの、観察と記述には自身の興味と学校や生徒への愛着が素直に描かれている。本書を読めば、あまり知られていない水産高校の魅力を知ることができる。付録として「東日本大震災 被災の記録」を掲載している。 【はじめに】 私は平成元年に宮城県の高校で「国語」の教諭となりました。その後、普通科の高校で、22年間にわたって勤務しましたが、そのうちの多くを、「進学校」と言われる比較的成績のいい生徒が集まる高校で過ごしました。 最初は、生徒たちの受験勉強につきあうのも自分の……

魚との知恵比べ−魚の感覚と行動の科学−【3訂版】 ベルソーブックス004

もっと魚を釣るために、もっともっと釣りを楽しむために、魚のことを知りつくした研究者が書いた本をオススメします。魚は色がわかるのか?魚は1度釣られると学習するのか?釣り糸は見えているのか?初心者からベテランまで、マニュアル本には載っていない釣りのヒントが満載。 【はじめに】より 魚の行動に興味をもつ動機は人によって様々で、自分が飼っている熱帯魚に自分の意志を伝えたいためにその魚を知りたいという人もいれば、もっと釣りが上手になりたいために魚の行動を知りたいという釣り愛好家もいるだろう。最近は、自然環境保全という考えが浸透し、希少魚とその外敵動物の行動を知って希少動物保護に役立てたいという欲求も出てきた。 漁師にとって漁獲の対象となる魚の行動習性を知ることは、自分の家族の生活を維持するために欠かせない。熟練した漁師は漁撈技術の師であるばかりでなく魚の行動習性の師でもある。筆者はことある……

魚の発酵食品 ベルソーブックス003

塩辛、かつお節、くさや、味噌漬けなど、発酵食品の旨さの秘密に迫る。微生物や酵素を巧みに生かす、伝統的な手作りの面白さを紹介。 【はじめに】 魚の発酵食品は? と聞かれて3つ以上思いつく人は少ないのではないかと思う。水産物にも様々な発酵食品があり、しかもそこには、農産や畜産の発酵食品とはまた違った巧みな微生物・酵素利用の知恵が隠されているのに意外と知られていない。筆者は日頃そのような水産発酵食品の意義を少しでも多くの人に知ってもらいたいと考えており、先に『塩辛・くさや・かつお節ー水産発酵食品の製法と旨みー』(恒星社厚生閣、1992年)を上梓したことがある。それまでこの方面の成書は少なかったこともあり、幸い好評を得たが、大学での授業の参考書として企画したため、内容的にやや難しい点があり、その後の知見も整理し、もう少し気軽な、通勤や通学の車内でも読めるようなものをまとめたいと考えていた。……

カツオの産業と文化 ベルソーブックス018

初ガツオ、カツオのタタキ、かつお節と食卓でおなじみの魚、カツオ。でも食べるだけじゃ物足りない! 生態から一本釣りの現場、かつお節の製造法、地域おこしまで、カツオと人のつながりを広く紹介。 【はじめに】より 「毎年、買っているのよ。本場のタタキは、やっぱり良いわ」と嬉しそうに、ご年配の女性が声をかけてきた。 「一節1,600円です。ありがとうございました」 カツオのタタキを手渡す水産商工課の女性職員と私。テントの前で別の男性職員と商工会メンバーが息の合ったワラ焼きタタキを実演し、その裏では水産商工課長が自慢の包丁でカツオをおろしている。町長と総務課長はご満悦のようす。  これは2002年11月24日に岡山県有漢町で開催された「風ぐるまフェスタ2002inうかん」というイベントでの一コマである。高知県中土佐町では、「カツオの町」のPRのために役場職員や商工会メンバーなどで「カツ……

なぜ、魚は健康にいいと言われるのか?

「魚の健康効果」を徹底研究! 「魚介類に特徴的にある脂肪酸、EPAは心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ」「魚をよく食べる人は長生きである」など、魚が人間の身体に与える健康効果は、広く語られている。しかし、どんな魚を、どのようにして食べればよいか、あるいは、数多く語られる健康効果の根拠を科学的に、わかりやすく、丁寧に解説した書籍は皆無に等しい。「日本で初の「魚の健康効果をわかりやすく説いた書籍」の登場です。 【巻頭付録 魚を食べて健康になる】 ・干した魚のタンパク質の栄養価は鮮魚に同じ 魚に期待したい健康効果は、干物で代用できる 塩干し品は、昔は食塩濃度が濃く、またよく乾燥された製品でした。そのため、室温でも品質が悪くならないで、比較的長期保存ができました。最近の塩干品は、健康のため塩がうすく、また水分が多い製品が一般的です。極端なものでは、干したというよりも、単に水切りしただけのような……

新編 漁業法詳解 【増補5訂版】

漁業法と関係の水産業協同組合法、水産資源保護法、TAC法等の水産法令の他、関連する法律・政省令・告示・通達、多数の判例と行政解釈を収録。 水産行政担当者、漁業協同組合、漁業者向けに編纂した法令実務解説書の決定版。 【増補5訂版について】 『新編漁業法詳解』の増補四訂版を刊行してから4年が経過しました。この間に漁業法は、「地方自治法第252条の19条第1項の指定都市における総合区」(平成26年5月30日法律第42号)と、選挙権・被選挙権を有する年齢など公職選挙法に関わる一連の改正(平成26年6月13日法律第69号・平成27年6月19日法律第43号・平成27年8月5日法律第60号)が行われました。また、指定漁業の許可及び取締り等に関する省令の「船舶適格条件」に沖合底びき網と以西底びき網漁業を加える改正(平成26年12月18日農林水産省令第71号)、行政不服審査法の全面改正(平成26年6月13……
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