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河川工学の基礎と防災 気象ブックス040

洪水を防ぐための堤防や水の流れの調節など、見慣れた川にも多くの技術が隠されています。川と人とのかかわりを、科学技術の方面から追求する河川工学の実務者が、基礎知識から洪水ハザードマップまで、よどみなく解説している、「川の取扱説明書」です。 【はじめに】より  河川をめぐっては昔から左岸と右岸、上流と下流の利害が対立しがちであった。洪水時に片方の堤防が決壊するととたんに水かさ(技術的には「水位」という)が下がり、危なかった対岸はじめ近隣堤防が安全になるということがある。水かさが増して堤防を乗り越えそうになると人々は土のうを積んで越水(川の水があふれ出ること)を防ごうとする。対岸の堤防が切れると自分の方が助かるという、せっぱ詰まった状況にあった。  図1は、元荒川の堤防上にある「御定杭」である。洪水時に両岸の間でしばしば険悪な争いになるので代官所が調停して平時から堤防を一定の高さに制限……

新訂 竜巻ーメカニズム・被害・身の守り方ー(極端気象シリーズ5)

いつどこで発生するかわからない「竜巻」の仕組みを、第一線の研究者が、発生する仕組み突風・トルネードとの違いを学び、さらに竜巻から身を守る方法、過去の竜巻事例、最新の情報をもとにわかり易く解説。 【本書のポイント】 ・竜巻の科学的メカニズムをやさしく丁寧に解説 ・過去の事例から日本における竜巻の実態をしる ・最近の竜巻観測について紹介 ・竜巻から身を守る方法を知り、防災に役立てる 中身を見てみる 【はじめに】より 『竜巻―メカニズム・被害・身の守りかた』(初版)は、ちょうど10年前の東日本大震災(2011年)をきっかけに〝極端気象から身を守る〟ことを念頭に執筆を始めました。この10年間、毎年のように甚大な気象災害に見舞われ、命を守る行動が求められています。科学的な観点からも、フェーズドアレイ気象レーダーの開発や日本版改良フジタスケール(JEF)の策定など、新たな……

みんなが知りたいPM2.5の疑問25

PM2.5とは・・・ よく聞くけどイマイチわからない。 そんな方のために18名の専門家が 25の疑問に正確にわかりやすく解説します。 【内容】 2013年1月、中国・北京が高濃度のPM2.5で覆われる様子がニュース等で繰り返し放映され、日本への影響や健康被害などが懸念された。この時初めて「PM2.5」という言葉が日本の一般市民の間にも浸透していったが、その際、一部のマスコミによる扇情的な報道やそれに伴う過剰な反応、また、日中関係の悪化を背景にした短絡的な中国加害者・日本被害者的な見方も相俟って、「PM2.5」という言葉が独り歩きし、正確な情報が伝わりにくい状況になってしまった感がある。 本書は、日本エアロゾル学会に所属する大気微粒子の18名の専門家が、25の代表的な疑問について、できるだけわかりやすい表現で回答・解説したものである。例えば、大気中の微粒子を2.5マイクロメー……

越境大気汚染の物理と化学(2訂版)

越境大気汚染の基礎テキスト!! 環境大気汚染物質の正体は? 大気の構造と運動の仕組みは? 雲ができる仕組みと特徴は? 大気汚染物質が除去される仕組みは? 大気汚染物質の地球上の広がりは? 物理と化学のエキスパート6名が執筆。 正しい知識を学ぶ、待望のテキスト完成。 【まえがき】より 「越境大気汚染」とは,他国で排出された汚染物質が,国境を越えて輸送されることで発現する大気汚染のことをいう。日本では,中国から微小粒子状物質 (PM2.5)の到来が伝えられた2013年1月の騒動以来,毎年のようにマスメディアを賑わし,PM2.5とともに環境問題の一つとして定着した。近年は,日本・中国・韓国の3か国の間で大気汚染対策に係る政策対話が行われ,国際協力と各国内の発生源対策によって大きな進展が見られている。 越境大気汚染という概念は,昨日今日に生まれたものではない。1970……

衣服と気候 気象ブックス039

「持ち運べる小さな環境ー衣服」にまつわる 科学と文化のはなし。 ヒトはなぜ服を着るのか? 永年にわたり、衣服を科学してきた著者が、 カラダと着衣、そして気候の関係を徹底追及。 服飾の勉強をしている学生、アパレル関係者はもちろん、 住宅や家電業界など生活環境に関わるすべての方、 必読の1冊です。 【目次】 巻頭インタビュー 著者に聞く「この本を書いて思うこと」 序章 衣服は持ち運びできる微小環境 第1章 衣服の起源  1.1 ヒトー裸のサル  1.2 衣服の起源ー防寒が先か、装身が先か 第2章 現代社会における衣服と気候の関係ーいざ、街頭ウォッチング  2.1 初めの予測  2.2 やってみよう!  2.3 通行人を観察すること1年間  2.4 服種別衣服着用率の年間変動  2.5 日平均気温と服種別着用率の関係  2.6 同じ気温でも……

雲の博物館

世界中の空に広がる無数の雲、 類いまれな雲を、 余すところなく網羅した雲の博物館。 200点をゆうに超える圧倒的な雲の数々。 別天地の風景。 【はじめに】より  いらっしゃいませ。ようこそ『雲の博物館』にお出でくださいましてありがとうございます。御入館になる前に、何故私たちがこの博物館を開設(編集)するに至ったかと、博物館の展示内容を簡単に説明しておきましょう。  著者の一人、菊地が雲の写真や雪の結晶の顕微鏡写真に携わるようになったのは、1957 年北海道大学大学院気象学研究室に入ってからです。1960 年北海道大学アラスカ氷河調査隊員として、やっと出始めたカラーフィルムを使った興奮は忘れられません。その後、1968 年日本南極観測隊員として、昭和基地での越冬観測を初めとして、南極点基地や北極域の各地で雲の写真を撮ってきました。また、山田は1950 年東京大学工学部で写真……

都市を冷やすフラクタル日除け−面白くなくちゃ科学じゃない−気象ブックス037

雨風をしのげない不思議な日除け、一見、役立たずに見えるが・・・。 樹木の形状を模したまったく新しい形の日除け。 隙間だらけのスカスカの構造が、木陰のような 涼しく爽やかな空間を創り出す! 都市を暑くするヒートアイランド対策の救世主 ともいうべきフラクタル日除けにたどりついた 京大ならではの発想と、「科学する」ことの 楽しさがぎゅっと詰まった一冊。 組み立ててフラクタル日除けを実感できる 「シェルピンスキー四面体」のペーパークラフト付き! 【はじめに】より 「フラクタル日除け」は、樹木の形状を模した全く新しい形の日除けです。普通の日除けとは違い、隙間だらけの不思議な構造をしています。このスカスカの構造が、木陰のような涼しく爽やかな空間を創りだします。都市を暑くするヒートアイランド現象と、このフラクタル日除けが、この本のテーマです。  これまで、都市のヒートアイラン……

高層気象の科学−基礎理論から観測技術まで−

 異常気象など気象に起因する自然災害や、地球温暖化など地球環境問題に関連して、気象や大気に関する社会の関心が以前にも増して高まっている。このような状況に対応して関連する書物が多数出版されているが、対流圏と成層圏を対象とした高層大気の観測については、専門的な内部資料が多く、一般向けに詳しく解説したものは少ない。  本書は、高層大気の物理的・化学的な基礎に加えて、高層大気の観測にも重点を置いて、全体を大きく3部にわけて解説した。 第1部は高層大気の物理的な基礎のほか、高層天気図の見方、身近な気象現象のメカニズムなど応用的な分野についても解説。第2部では成層圏オゾンを中心とした大気化学の基礎について、第3部では高層大気の観測方法や観測網について解説。 【はじめに】より  近年多発する異常気象や気象災害などを通して、また地球温暖化やオゾン層破壊などの地球環境問題に関連して、気象や大気に……

井田寛子の気象キャスターになりたい人へ伝えたいこと

酸性雨から越境大気汚染へ 気象ブックス036

 酸性雨は古くて新しい環境問題。100年以上前にヨーロッパの工業都市で見つかったこの問題は、やがて国内にとどまらず、欧米では国境を越えた環境問題として認識されるようになりました。  日本の酸性雨も例外ではありません。世界の関心は現在、生産活動の進展が著しい東アジアの越境大気汚染に集まっています。本書では、酸性雨100年の歴史を振り返り、日本と東アジアの現況を分析するとともに、将来のあり方について述べています。 【はじめに】  1970年代から1990年代にかけて、「酸性雨」という用語が日本のマスメディアを賑わした。  レモンのように酸っぱい雨が降ると、眼がチカチカする。ナイロンストッキングに穴があく。アサガオが脱色する。スギが枯れる。コンクリートが危ない。頭髪は? このような日常生活に密着した説明が頻繁に聞かれた。中国では空中塊とよばれることも伝えられた。だが2000年代になる……
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