火山−噴火のしくみ・災害・身の守り方−


978-4-425-51391-8
著者名:饒村 曜 著
ISBN:978-4-425-51391-8
発行年月日:2015/11/20
サイズ/頁数:A5判・168頁
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日本は火山国です。火山は大噴火が起これば広範囲にわたって被害をもたらします。しかし、その一方で地球に、そして私たちにさまざまな恵みを与えてくれます。噴火や災害でメディアがにぎやかになった昨今、改めて火山のことを知りませんか?
本書は噴火のしくみ・災害・見の守り方について減災コンサルタントである著者が教える火山のことがわかる一冊です。

【はじめに】より  平成7年1月17日、私は阪神淡路大震災を神戸で経験しました。その後、あっという間に時が過ぎ去ったような気がするし、ゆっくり進んでいるような気もします。日本は地震国であり、火山国です。いつか、ふたたび大規模な地震や火山噴火があります。そのときに役立ってこその対策です。役立つ話でなければ、阪神淡路大震災の犠牲が活かされません。勤務していた神戸海洋気象台は、職員のほとんどが被災者で、気象台の建物も半分が直ちに立入禁止、残りも取り壊しをせざるを得ないほどの大きな損傷をうけました。交通や電気、電話など、神戸の町のインフラが停止しましたが、気象台は観測も予報も一回も止めることなく業務を継続できました。実際に役立つ対策のためには、経験者が冷静に経験を語る必要があると思い、『防災担当者の見た阪神淡路大震災』と『図解・地震のことがわかる本』の2冊を書きました。中学生の頃、新潟市で新潟地震とそれに伴う津波を経験しましたが、そのときのかすかな記憶が、阪神淡路大震災で役立ったことを伝えることの大切さを思ったからです。その後、平成16年に勤務した福井地方気象台で福井豪雨を経験しましたが、気象台が避難指示区域にあり、床上浸水をしながらも、観測も予報も一回も止めることなく業務を継続できました。役立ったのは阪神淡路大震災の経験でした。
 阪神淡路大震災から16年が経過し、平成23年3月11日に東日本大震災が発生しましたが、大災害の発生後に起きるさまざまなことは同じでした。阪神淡路大震災の経験を活かせば、もっと減災できたのではないかと思います。また、東日本大震災の経験は、地震であれ、豪雨であれ、火山であれ、次の大規模災害に活かせると思います。昨今、「防災」という言葉がよく使われます。これに対し、私は、あえて「減災」という言葉を使っています。大災害の経験を、「減災」というキーワードで見直すのが大切ではないかと考えているからです。防災により自然災害を抑えこむことができれば、それが一番で、防災を否定しているわけではありません。それに向かって進むべきと考えています。ただ、防災のためには時間と費用がかかります。この時間と費用がかかりすぎると、現実的ではないとして諦めるのが一番困ることになります。
 人間の一生は自然のサイクルに比べて非常に短いものです。自分が過去に経験したことがないといっても、それは決してめずらしいことではないという謙虚さと、日常的に堅実で誠実な生活、命さえあれば必ずより良い状態にできるという信念、加えて、先人たちが幾多の犠牲と引き換えに得てきた自然災害に対する知恵の継承と、いろいろと大切なことがあると私は考えます。
 本書が「過去の自然災害をしつこく思い出すこと」につながり、記憶のどこかに火山災害などの自然災害に対して大切なことが残り、いつか役に立てば幸いです。

平成27年11月
饒村 曜

【目次】
第1章 にぎやかになった日本の火山
 (1)戦後最悪の火山災害(2014年の御嶽山噴火)
 (2)日本の領土が増えた2014年の西之島の噴火
 (3)初の特別警報が発表された2015年の口永良部島噴火
 (4)ゴールデンウィークを襲った箱根山の噴火騒動
  コラム1 予知が難しい水蒸気噴火

第2章 火山は地球が生きていることの証明 2-1 移動し続ける大地
 (1)桁違いに長い時間の中で起きている
 (2)プレートの移動
2-2 地球内部のドラマ
 (1)生きている地球の恵み
 (2)マグマができる条件に水の存在
2-3 火山と巨大地震は出処が一緒
 (1)日本は世界地震の3%が集まるが、火山は7%が集まる
 (2)日本付近でプレートが沈み込むので巨大地震も火山も発生する
 (3)火山の記録(火山爆発指数・世界で一番高い火山)
2-4 火山の恵み
 (1)温泉と地熱発電所
 (2)火成岩を作る鉱物
 (3)火山灰は考古学における時計の役目
  コラム2 フォッサマグナの西縁は糸静線

第3章 火山への対応 3-1 火山の監視
 (1)日本の火山
 (2)火山の観測方法
 (3)火山の精密観測は黒潮の動きまで考える
 (4)宇宙線が噴火予知を変える?
3-2 江戸幕府を衰退させた浅間山と富士山
 (1)富士山の宝永噴火後に発生した災害
 (2)江戸幕府を衰退させた浅間山
3-3 近年災害をもたらした火山 
 (1)短期間で観光を復活させた有珠山噴火
 (2)全島民1万人が島外避難した伊豆大島
 (3)大量の火山ガスが放出された三宅島
 (4)火砕流で大災害となった雲仙普賢岳
 (5)桜島が大隅半島とつながった桜島噴火
 (6)東日本大震災でニュースが萎んだ霧島噴火
  コラム3 竹取物語に出てくる富士山は絶えず煙の上がる山

第4章 火山防災の心得 4-1 火山防災の第一歩は情報
 (1)桜島と共生している鹿児島
 (2)気象庁のホームページにある火山に関する情報
 (3)量的降灰予報
 (4)航空機向けの火山灰情報
4-2 デマに惑わされず的確な判断を
 (1)噴火警戒レベルと特別警報
 (2)火山災害に対する特別警報の難しさ
4-3 火山噴火時の知恵袋
 (1)火山からの距離で対応が違う
 (2)いろいろなタイプのハザードマップ
 (3)避難行動時の服装や持ち物
 (4)登山中に火山噴火に遭遇したら
 (5)積もった灰の処理方法(火山灰の性質)
  コラム4 火山から古代人を守った「火の雨塚」
  
  付表 日本の火山噴火の歴史
  日本の主な火山の豆知識
  【北海道】北海道駒ケ岳、樽前山、十勝岳、雌阿寒岳
  【東北地方】十和田カルデラ、安達太良山、蔵王山、吾妻山
  【関東・中部地方】浅間山、御嶽山、箱根山、草津白根山
  【伊豆諸島・小笠原諸島】伊豆半島東部沖合の海底火山、三宅島、伊豆鳥島、西之島
  【九州】阿蘇山、桜島、霧島、薩摩硫黄島、口永良部島、諏訪瀬島
カテゴリー:気象・海洋 タグ:気象 気象災害 防災 
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