気象予報士の天気学 【2訂版】 気象ブックス008


978-4-425-55073-9
著者名:西本洋相 著
ISBN:978-4-425-55073-9
発行年月日:2004/5/8
サイズ/頁数:四六判 176頁
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「雨はなぜ降るのか?」を「明日雨が降る」にまで高めたところに気象学のすばらしさがあります。天気予報はどんなプロセスで行われているのか、「天気」の初歩から最新の予報技術までを紹介します。気象予報士試験に新しく加えられた「季節予報」もやさしく解説しています。

【はじめに】より
インターネットを使えば、気象衛星の雲、気象レーダーの雨、アメダスの気温など、いまの気象がすぐわかる。テレビを見ると、雨の予報図、天気の分布予報、気温の変化グラフなど、これからの天気が見やすく加工されている。情報処理技術の発展により、気象情報はずいぶん使いやすく、見やすくなってきた。目で見てすぐわかることの価値は大きいが、そのことと予報の精度は別である。天気予報が華やかに加工されるようになればなるほど、中身の充実が大切になってくる。中身とは精度のよい予報であり、精度を支えているのは予報の技術である。そして、技術の基礎には気象の科学がある。
気象の科学と大上段に振りかぶるといかにも難しそうだが、考えてみれば私たちは毎日風に触れ、雨に打たれ、暑さ寒さを感じつつ生活している。その目の前、頭の上にある空気の振る舞いについて、ちょっと気を付けて観察すれば納得できることがたくさんある。加工された情報に払う関心の一部を、自然の振る舞いに向けて欲しいものである。
気象の科学は急速に進歩しているが、地球上の気象現象すべてが解明されたわけではない。いまだにどうして発生するのかわからない現象が残っている。しかし、しくみがよくわからないからといって、今日の天気予報はお休み、ということはない。気象現象の解明はいまだに不十分ではあるが、天気予報は十分な精度をもって行われる。これも天気予報の技術の一つである。
本書では、華やかな気象情報の陰で、ともすれば忘れがちな天気予報に関わる科学・技術に日を当ててみようと思う。これから予報士を目指す方、天気予報を活用したい方、天気や天気予報のしくみに興味のある方の参考になるはずである。すでに、膨大なデータと限られた時間の中で格闘している多くの予報士の方々にとっては当たり前のことがらが多いかもしれないが、初心に帰るつもりでながめていただきたい。
絶え間なく進歩している天気の科学と予報の技術。本書からその一端を感じ取っていただければ幸いである。

西本洋相

【目次】
第一章 天気予測の基礎
第一節 天気の要素
【気温】
 1 足元ばかりが、なぜ冷える?
 2 地上1.5メートルの温度
 3 冷たい空気は重い
【風】
 4 東風は東から吹く風?
 5 風を見る
 6 局地的な風
 7 大規模な風と地球の自転
 8 地上付近の風と地面の摩擦
 9 空気が集まる、散らばる、渦を巻く
【雲、雨、雪】
 10 雲があるのに天気は晴れ?
 11 ひまわりは地球を向く
 12 水の供給システム
 13 雲粒から雨粒へ
 14 山が雲を作る?
 15 霧と雲は違うのか?
 16 雨の量は長さで測る?
 17 レーダーによる雨の観測
 18 水蒸気量の指標

第ニ節 天気現象のいろいろ
 1 空気の安定、不安定とは?
 2 晴天乱気流とダウンバースト
 3 気象現象の大きさ
 4 気団とはどんな塊?
 5 空気の境目
 6 低気圧って何?
 7 低気圧の一生
 8 低気圧が発達するしくみ
 9 梅雨前線の複雑さ
 10 台風は熱帯産の低気圧
 11 台風に備える
 12 エルニーニョ

第二章 天気の予測技術
第一節 予測技術の基礎
 1 天気予報の種類
 2 空の予報、海の予報
 3 予報のプロセスは?
 4 1週間で1万キロメートル
 5 天気図は大発見
 6 天気図にはなまる?
 7 天気図は古い?
 8 高気圧=晴、ではない
 9 前線付近ではこんなことも
 10 高層天気図
 11 高層天気図の解析

第二節 数値予報
 1 数値予報は空の模型
 2 計算機による気象の解析
 3 雨の予報は難しい
 4 スーパーコンピュータで3時間
 5 数値予報の応用技術
 6 ガイダンスはどこへ導く?
 7 宇宙船にカルマンフィルター
 8 カルマンフィルタ−による最高気温予測
 9 いろいろなガイダンス
 10 降水確率30パーセント

第三節 数時間先までの予測
 1 雷雨は、いつ、どこで?
 2 6時間先までの雨予報
 3 タイミングよく、わかりやすく
 4 画像から知る雲の変化
 5 雲画像で見る霧、積乱雲
 6 ドボラックの台風解析

第四節 天気予報の成績
 1 80点で不満?
 2 成績評価の指標
 3 予報技術の未来

第三章 季節予報
 1 明日の天気と1ヶ月先の天候
 2 天候を解析する
 3 北半球天気図から見る季節
 4 エルニーニョと日本の天候
 5 季節予報の予測手法
 6 1ヶ月アンサンブル予報

(気象図書)
カテゴリー:気象ブックス タグ:気象 気象ブックス 気象予報士 
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