メキシコの麻薬戦争をリアルに描いたアクションサスペンス映画『ボーダーライン』

皆さんこんにちは。そろそろ花粉が気になる季節になってまいりました…イッケーこと池田素楓です。

さて、今回は私の好きな映画を紹介するシリーズ第二弾!初めて鑑賞した時衝撃を受けた『ボーダーライン』について語ります。

 

■本当の「正義」とは何かを問うアクションサスペンス映画『ボーダーライン』

FBIのケイト・メイサー捜査官(エミリー・ブラント)は誘拐事件に関わっていると見られていた家に奇襲捜査を行い、家の壁一面に埋められている死体の山を発見します。ケイトは事件の真相を突き止めるべく、国防総省の職員を名乗るマット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)率いるチームに参加し、誘拐事件の主犯とされる麻薬カルテルの首領ディアスの捜査に協力することになりましたが…というストーリー。

邦題は『ボーダーライン』ですが、原題は『SICARIO』。“暗殺者”という意味です。

ケイトはマットの結成した特別チームと共にメキシコへ行き、そこで日々行われる麻薬カルテルの残虐な手口と、それ以上に手段を選ばないマットらの捜査を目の当たりにします。

全てが信じられない世界で、エミリー・ブラント演じるケイトは最後まで己の正義を貫けるのか?というところにもご注目いただきたい作品です。

目的のためならば手段をいとわないマット。国防総省の職員を名乗りますが…?

■誰が敵で、誰が味方か?何も信用出来ない過酷な任務

カルテルの幹部をアメリカへ護送する任務の際、マットの協力者アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)はケイトに「メキシコ警察を信用するな。買収されている奴が多い」と警告しています。実際にその後、ケイトはカルテルに買収されている兵士からの銃撃を受け、更にバーで親しくなった警官に絞殺されかける羽目になりました。

他にも警官がパトカーのトランクに麻薬を詰めて運ぼうとしていたりと、警察の権威が失墜している様子が描かれています。国家権力よりも犯罪組織の方が強大であるという、日本の常識からは考えられないような世界です。

アレハンドロの目的は何なのか?というところにもご注目いただきたいです。

 

■この作品のポイント

①生々しく描写されるアメリカとメキシコの現状

ケイトらが序盤に訪れるメキシコのフアレスは、アメリカとの国境付近に位置しています。劇中では、カルテルに逆らった人達が吊るされていたり、夜には銃声が鳴り響く危険な街として描写されています。

監督がメキシコからの移民の人々から聞いた話を元にした作品とのことで、よりリアリティ・説得力のある映画になっていると思いました。

実際にこの街がどのような状態なのかは分かりませんが、真に迫るものがあります。「中南米諸国の現状に興味がある」「テレビのニュースや新聞では知りえないようなメキシコの現状を学びたい」といった方にオススメしたい作品です。

Blu-rayの特典パンフレットより。街にカルテルのメンバーがいるのはごく普通のことなのだそうです。

②私達の非日常は誰かの日常

子ども達がサッカーを楽しんでいる中、突然遠くから銃声が鳴り響きますが、ほんの数秒の沈黙の後、特に気にする様子もなくプレイを続行する、というシーンで物語は幕を閉じます。

サッカーをしている子ども達も、観戦している親御さん達も、審判も特に意に介しません。それが“日常”であるということを如実に表している名シーンだと思います。「この街では今日も誰かが銃を撃っているんだ」というメッセージがズッシリと胸に来る映画です。

また、ガンアクションもこの映画の肝です。序盤のFBIの突入シーンは勿論のこと、米墨の国境をまたぐ高速道路上での戦闘シーンも迫力満点!「どちらが先に撃つか」「民間人が大勢いる中で本当に発砲するのか」といった緊張感が物凄いです。その時、マットはガムを噛みつつ余裕綽々の態度、アレハンドロはいち早く敵の存在に気付き交戦に備えて車の窓を開けます。その時の二人の表情にも注目してみてほしいです。

「ジョシュ・ブローリンとベニチオ・デル・トロのクールでダーティな演技が観たい」「銃が活躍するミリタリー系の映画が観たい」そんな方にもオススメの作品だと思います。

 

③この映画で感じたこと

私はこの映画で、『自らの目的のために物事の善悪の尺度を変えてよいのか』『自分の理想を貫き通すことの難しさ』を学ぶことが出来ました。現代社会を生きていく上で、時には自分の理想を曲げなければならない場面に直面することもあるかと思います。その時に自分がどう決断するのか。この作品がその一つの指標になるのではないでしょうか。

 

いかがでしたでしょうか。『ボーダーライン』は続編もありますので、この作品が気に入った方は是非ともそちらもご覧いただけたらと思います!

それでは、またお会いしましょう!

『Till All Are One!』