ジョニー・デップの悪の演技が光る!FBI史上最大のスキャンダルをテーマにした映画『ブラック・スキャンダル』

マニアックな映画や個人的に好きな映画をご紹介するためのコーナー『イッケーは映画をススメたい』を不定期で行っていきたいと思います!

記念すべき第1回目はこちら、『ブラック・スキャンダル』!

■ジョニー・デップの悪党演技が光る!ボストンに実在したギャングの半生を描く『ブラック・スキャンダル』

舞台は1970年代のマサチューセッツ州ボストン。アイルランド系アメリカ人の悪人達を率いるジミー・バルジャー(演:ジョニー・デップ)は、幼馴染であるFBI捜査官ジョン・コノリー(演:ジョエル・エドガートン)から情報提供者になってほしいと持ち掛けられます。

イタリアンマフィア“アンジュロファミリー”の存在を鬱陶しく思っていたジミーは、マフィアの情報をFBIに提供し、結果マフィアは壊滅。コノリー捜査官はFBIの英雄と持て囃され、またジミー達は情報提供の見返りとして、FBIとの提供を隠れ蓑に悪行の限りを尽くし、ボストンでの勢力を拡大していきますが…というストーリー。

とても好きな映画なのでBlu-rayを持っています。

物語の主人公ジミーには様々な面があります。お年寄りを労り、弟であるビリー・バルジャー上院議長(演:ベネディクト・カンバーバッチ)と談笑したりと愛嬌のある一方で、平気で人を殺す恐ろしさを併せ持っています。ジョニー・デップの演技力も相まって、より人間臭さのある悪党ぶりを感じることが出来ます。

彼の口癖は「二度とやるな」です。劇中でも仲間の落ち度を咎めた際、「すまないジミー」と返されると「二度とやるな」と許します。一見優しいやり取りに見えますが、裏を返せば「次は無いぞ」という脅しでもあるのです。要はイエローカードですね。そんな普段耳にすることのない悪党同士の会話が何ともゾクゾクさせてくれます。

また、コノリー捜査官は故郷ボストンへの愛着が強く、「子供の時にジミーに助けてもらった」恩からやたらに彼の肩を持ちます。彼に情報提供の話を持ち掛けた時にも「サウス(ジミー達の縄張りであり故郷)に手を出すつもりはない。この街が好きなんだ。俺の仕事はイタ公(イタリアンマフィアのこと)を排除すること」とハッキリ言っています。

劇中では「ここの子ども達は『悪党と警官ごっこ』をやって育つ。しかも悪党と警官の区別が付いていない」と語られている通り、コノリーはその「警官と悪党の区別が付いていない」まま大人になってしまったのかもしれません。そういった人の闇を垣間見ることが出来るのもこの映画の見どころだと思います。

■実話を元にした映画特有の無常さ

この映画は実話なのですが、実話を元にしている映画ではエンディングに各々の人物の末路が文章だけで紹介されることが多いですよね。あれが私は好きなんです。「このキャラクターはこの後こうなったのか」と知ることが出来ると共に、「もう亡くなった人なんだな」とか「今も刑務所暮らしなのか」といった“その人物が生きている(いた)”事実がズッシリとのしかかってきます。それがたまらなくクセになるのです。

■この作品のポイント

1970年代~80年代のアメリカの雰囲気が好きな人にはたまらない作品だと思います。勿論、クライム映画やマフィア・ギャングものの映画が好きな方にもオススメです。

また、物語後半に登場するIRA(アイルランド共和軍。北アイルランドの独立を求める過激派武装組織)や、ジミー達が度々口にする祖国アイルランドへの愛とイギリスへの憎しみもこの映画では無視できません。

それに何と言っても、ジョニー・デップの悪党演技がこの作品の肝です。白人ではないジョニーが、数時間かかる特殊メイクにより冷酷なアイルランド系ギャングに変貌している様は必見です。顔は面影があるのですが、その演技は彼が“カメレオン俳優”と呼ばれているのも納得なものとなっています。原語版ではFワードを連発する珍しいジョニーが観られるので、是非とも字幕で観ることをお勧めします(笑)

いかがでしたでしょうか。これからもマニアックな映画、「もっとみんなに知ってほしい!」という映画をご紹介できたらと思います。

それではまたお会いしましょう!

『Till All Are One!』