好きな車両をとことん知りたい!鉄道マニア的読書

こんにちは、まっつんです。
わたしが鉄道ファンになったのは、新幹線0系がきっかけです。0系にハマったのは2007年頃でしたから、引退まであと1年というところでした。
引退までに乗れるだけ乗っておこうと湯水のように交通費を使う一方で、0系のことを調べられるだけ調べようと思い、当時発行されていた関連書を片っ端から買い漁りました。
特に探し求めていたのは、次のような本です。

1:スペック・データが何もかも載っている
0系くらい数がいると(全部で3,216両が作られました)、生まれ故郷も一か所ではありませんし、一形式が44年も走り続ければ、その1両、その編成(車両が繋がって一本になったものを『編成』と呼びます)のたどる人生は様々です。どの車両がいつどの会社で作られ、どの編成に組み込まれ、その後どのような経緯を経て(途中で改造されたりします)最終的にいつ廃車になったか、全部知りたいのが人情です。
ちなみに鉄道車両には『車籍(戸籍のようなものです)』があり、これが抹消されると廃車になります。廃車になっても解体されるまでは形があるので、心底好きな車両については解体日も知りたいです。それを知れば、文字通りゆりかごから墓場までその車両の人生を追うことができます。解体日は公式資料には出ないので、ここまで網羅された本はありませんでした(有名な編成については部分的に触れられていることがあります)

『東海道新幹線運転室の安全管理』

中の人しか知らないエピソード満載!0系、東海道新幹線ファンには見逃せない『東海道新幹線運転室の安全管理』。

2:『中の人』しか知らないエピソードが載っている
鉄道ファンにも種類がありまして、わたしはその中でも『車両鉄』の血が濃い方です。0系という車両が好きなので、開発までの苦労話や、日々運転していた運転士さんや整備を行った車両基地の方々の話は見逃せません。車両の引退が近づくとそのような裏話が色々なところで小出しにされるので、当時は鉄道雑誌のみならずビジネス誌まで買っていました。整備のときに感じるその車両の癖、運転していると気づく独特の操作感、運転中に起こった大小さまざまなトラブル等、実際に触れている人にしか解らない情報は、ファンにとっては宝物です。親しい人の口から語られるあの人の意外な一面、というやつですね。

さて、この2番目のカテゴリに属する本は、節目の直後に出る比較的生々しくかつ断片的なものと、十分資料をまとめ、熟成してから発行されるものとに大別できます。後者の中には、冷めかけていた興味をもう一度掻き立ててくれるような、その時だからこそ出せる本も少なくありません。

『東海道新幹線運転室の安全管理』

『東海道新幹線運転室の安全管理』より。ある意味のどかな『コーヒー事件』の隣ページに、深刻な状況が。

ここで弊社の本の話をします。『東海道新幹線運転室の安全管理』です。2016年4月の発行で、東海道新幹線の運転士たちが書いた『連絡帳』をまとめたものです。
「これはすごい!」発行当時、働いていた書店で見つけ、すぐに購入しました。走り出して間もないころの0系がどのように運転されていたのか、どのようなトラブルを経験したのか、表に出てくる事故報告よりも更に生々しい現場の声で語られているのです。これは読まずにはいられません。人身事故になりかけた、脱線しかけた、扉がもげた、あわやテロ未遂!?といった重大なものから、うっかり乗り間違えたけれども家族に会いたい!という乗客に同情してしまうような微笑ましいエピソードまで、国鉄時代の東海道新幹線の車内の様子が手に取るように見えてきます。
ファン心理は結構厄介で、今まで隠されていたことをこそ喜んで知りたがったりするものなのです。裏話が満載満載のこの本はまさにうってつけ、一気に読んでしまいました。東海道新幹線ファン、0系ファンには非常にお勧めです。個人的に一番好きなのは、『運転士の寝室に〇〇が乱入!?』です。本書201ページから始まる『珍談・奇談』の項をご参照ください。

『東海道新幹線運転室の安全管理』

『扉が外れる』等、車両に関する深刻な事故も、隠さず起債されています。時間が経ったからこそ、出せる資料かもしれません。

今年は新幹線開業から55周年、節目の年です。来年にはN700S系が走り出します。そんなときに出る新幹線本の中に、我が愛する0系の新たな一面に出会わせてくれるようなものがあることを願っています。

ところで、10年前に山のように買い集めた新幹線本の画像がどうしてないの?と思われる方も多いと思いますが、『物理的にもう掘り出せない』からです。本を山のように買うだけ買って処分しない人間にはよくあることです。