鉄旅と水族館

こんにちは、まっつんです。
今日は水族館の話をします。

鉄道の旅先では、目当ての車両基地があるときはそこを目指しますが、時間が合えばご当地の水族館を訪れることにしています。頭を空にできるからです。
とはいえ、鉄旅と水族館の組み合わせはあまり相性がよくありません。水族館は海辺にあることが多く、大抵の場合線路がそこまで延びていないのです。そこで、列車からバスに乗り換えて水族館を目指しますが、バス、何となく緊張するんですよね。鉄道と違って乗っているうちに値段が増えていくので……。同じ理由で路面電車もちょっとそわそわします。

ゴンズイ

ゴンズイ。鰭の棘に刺されると激しく痛む毒魚ですが、おいしいらしいです。

水族館の魚で一番好きなのは、ウツボやアナゴなどの長ものです。水族館のウツボは、すっかりだれきった様子で仲間と折り重なって床に伸びていたり(時々伸び上がってくわっと口を開けたり)する様子がとても和みます。筒状のものに入りたいアナゴたちが、塩ビのパイプを束ねた『巣』にみっちり詰まって落ち着いている姿もかわいいものです。野生から想像もできないような姿を見せてくれたり、本来の生態をコミカルに見せてくれたりする魚たちを眺めていると、時間の経つのを忘れます。

ウツボと掃除屋エビ

エビにお掃除されるウツボ。恍惚としています。

魚たちと『掃除屋』のコミュニケーションも面白いです。ホンソメワケベラがクリーニングの順番待ちをされていたり、エビがウツボをうっとりさせていたりと、野生から切り離された水槽の中にも社会が構築されている様子が見て取れます。昨年『魚たちの愛すべき知的生活(白揚社)』という本を読みましたが、こうして水族館での様子を眺めていても、魚たちは人間が思っているより色々なことを考えているのだと解ります。

鳥羽水族館、セイウチショー

鳥羽水族館のセイウチショー。最後に触らせてもらいました。

ペンギンやアザラシ等も外せません。ペンギンはそれぞれの性格の違いや個体同士の関係性が見えてくるのが面白いですし、アザラシは頻繁に目が合うので、逆にこちらが観察されているような気分になります。複数の水槽がチューブ状の通路で繋がっているタイプの展示では、アザラシたちも人間の展示を楽しんでいるかもしれませんね。

ショーはそれほど積極的には見ませんが、他ではあまり見ない動物が出演しているのはチェックします。おたる水族館の『やる気のないペンギンショー』は、ペンギンたちがスタッフさんの指示に従う確率が半分くらいです。滑り台からプールに飛び込む真面目な仲間に背を向けて好きなことをしている自由なペンギンたちが見ものです。わたしが感情移入してしまうのは、真面目なやつでも好き勝手しているやつでもなく、『わたしは何故こんなところに……?』とでも言いたそうに隅でぼーっとしているやつらです。

鳥羽水族館のセイウチショーは、スタジアムではなく仕切りのない広場で行われ、ショーの最後にセイウチに触らせてもらうことができます。このような体験型ショーに、子どもや家族連れの背後からそっと参加させてもらうのも楽しいものです。

のとじま水族館、イルカショー

のとじま水族館のイルカショー。

車なしのひとり旅では、好きな水槽の前で心ゆくまで生き物を眺めて時間の経つのを忘れても、終バスの時間だけは忘れてはいけません。特に地方では、水族館から駅に戻れる唯一のバスが17時台ということもあります。行きに数百円だった交通費が、帰りには数千円に跳ね上がったこともありますし、海岸沿いの道を5キロ歩いて途中の駅にたどり着き、そこで1時間列車(電車ではありません)を待ったこともありました。
こうしたオチがついても笑い話で済ませられるのが、ひとり旅のいいところですね。