舶用電気・情報基礎論-航海計測・機関計測の基礎知識-


著者名: 若林 伸和 著
ISBN: 978-4-425-43171-7
発行年月日: 2011-03-25
サイズ/頁数: A5判 296頁
在庫状況: 在庫あり
価格(本体価格)

3,888円 (3,600円)

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舶用計測に関わる電気工学、無線通信、コンピュータ利用の基礎技術を解説。航海科、機関科学生や電装関連の造船技術者等に必携の1冊。

著者からこの本を読まれる方へ(「はじめに」より)
 20世紀(1901年~2000年)は、人類史上でも飛躍的にテクノロジーが進歩した100年であったといえるでしょう。電気が利用されるようになり、電子技術が開発され、20世紀中頃にはコンピュータが発明されて情報技術が発展しました。今日の社会においてはこれら電気・電子・情報そして通信技術を基盤とした様々なシステムによるサービスを利用して生活しています。
 船舶においても、これらの技術を利用した運航技術の近代化という点で、20世紀の100年間はめざましい進歩を遂げた時代であったということができます。船舶に初めて無線通信機が搭載されたのは20世紀が始まる少し前の1899年のこととされています。それから約100年後には海上通信はデジタル化が進み、衛星通信やGMDSS完全実施に至るまでの変化を遂げています。航海に必要な種々の計測技術においても、レーダ、GPS等の実用化により、かつての航海術からは一変して、新しい航海計器、航海機器を使いこなす技術と知識が航海士には求められています。機関の分野においても同様で、産業革命以後の機械制御から20世紀には電子制御、そしてコンピュータ制御へと技術が発展し、人間にとっては簡単な操作で複雑な制御を精度よく正確に行うことができるようになりました。
 本書は、新しい航海計器の実例を解説するために執筆をはじめましたが、その基礎となる電気工学の基礎、電波と無線通信、コンピュータ利用の基礎知識に関しての内容だけで1冊の書籍として発行するのが適当な頁数となりました。実際の運用技術や制御技術の詳細、またコンピュータシステム等についてはそれぞれ専門の書に委ねることとし、航海士、機関士にかかわらず、新しい技術を身につけて船舶運航や船舶管理に携わることを目指して学んでいる人、さらに新技術に対応した設計や造船等に携わることを目指して学んでいる人等のテキストとして電気および情報技術に関する基礎知識が得られることを目的としています。本書がみなさんの参考となることを願っています。

【目次】
第1部 電気・電波・通信工学の基礎
第1章 舶用計測の必要性と現状

第2章 電気を分類する
 2.1 静電気と電流
 2.2 直流と交流
 2.3 低周波と高周波
 2.4 電気回路と電子回路
 2.5 回路記号
 2.6 単位について

第3章 直流回路
 3.1 オームの法則
 3.2 並列回路
 3.3 直列回路
 3.4 電池の容量、一次電池と二次電池
 3.5 キルヒホッフの法則
 3.6 電圧計と電流計
  3.6.1 電圧の測定
  3.6.2 電流の測定
  3.6.3 倍率器
  3.6.4 分流器
 3.7 電磁石
 3.8 フレミングの法則
  3.8.1 フレミングの左手の法則
  3.8.2 フレミングの右手の法則

第4章 交流回路
 4.1 正弦波交流
 4.2 実効値と平均値
 4.3 複素数表示
 4.4 位相差
 4.5 抵抗回路
 4.6 抵抗とコイル(インダクタンス)の回路
 4.7 抵抗とコンデンサ(キャパシタンス)の回路
 4.8 抵抗、コイル、コンデンサの回路
 4.9 交流電力と力率
 4.10 共振回路
  【コラム ドップラーログ】
 4.11 過渡現象論
  4.11.1 微分回路
  4.11.2 積分回路
  【コラム 潮流計】
 4.12 多相交流回路
  4.12.1 単相交流と多相交流
  4.12.2 三相交流
   4.12.2.1 三相交流4線式
   4.12.2.2 三相交流3線式
   4.12.2.3 三相交流と回転磁界
   【コラム 音響促進機】

第5章 電気機器
 5.1 発電機と電動機
  5.1.1 直流機と交流機
   5.1.1.1 直流機
   5.1.1.2 交流機
 5.2 変圧器

第6章 電子回路
 6.1 半導体
 6.2 ダイオードと整流回路
 6.3 トランジスタと増幅回路
  6.3.1 増幅作用
  6.3.2 トランジスタ
  6.3.3 増幅回路の種類
  6.3.4 FET(電界効果トランジスタ)とIC
 6.4 真空管
  【コラム 磁気コンパス(マグネットコンパス)】

第7章 航海計器への応用例
 7.1 リレー(継電器)
 7.2 ポテンションメータ
 7.3 差動変圧器
 7.4 サーボモータ
 7.5 ステップモータ
 7.6 シンクロ電機
  【コラム ジャイロコンパス】

第8章 電波と無線通信
 8.1 電波とは
  8.1.1 電磁波
 8.2 電波の利用と無線通信
  8.2.1 無線通信のモデル
  8.2.2 電波利用システム発展の経緯
  8.2.3 電波の分類
  8.2.4 電波の伝わり方
  8.2.5 電波利用の実例
  【コラム AIS】
 8.3 無線通信システム
  8.3.1 高周波交流と分布定数回路
  8.3.2 送信機と受信機
  8.3.3 変調方式
  【コラム 無線電話】
 8.4 アンテナ(空中線)
  8.4.1 アンテナと指向性
  8.4.2 アンテナの種類
  【コラム レーダ】
  8.4.3 給電線と接栓(コネクタ)
   8.4.3.1 給電線
   8.4.3.2 コネクタ(接栓)
 8.5 GMDSSとインマルサット
  8.5.1 GMDSS
   8.5.1.1 GMDSSシステムの概要
   8.5.1.2 GMDSSを構成する機器
   8.5.1.3GMDSS機器の搭載要件
  8.5.2 インマルサット衛星通信システム
   8.5.2.1 衛星通信のイメージ
   8.5.2.2 インマルサットの衛星
   8.5.2.3 インマルサットサービスの種類

第2部 情報工学の基礎
第9章 コンピュータ利用の基礎
 9.1 コンピュータの歴史・分類
  9.1.1 コンピュータの歴史
  9.1.2 規模による分類
  9.1.3 ハードウェアとソフトウェア
 9.2 アナログとデジタル
  9.2.1 アナログ・デジタル(AD)変換
  9.2.2 デジタル・アナログ(DA)変換
 9.3 ハードウェアの基礎
  9.3.1 ブール代数と論理回路
   9.3.1.1 論理和(OR)
   9.3.1.2 論理積(AND)
   9.3.1.3 論理否定(NOT)
   9.3.1.4 排他的論理和(Exclusive OR)
   9.3.1.5 その他の論理操作
  9.3.2 論理関数
   9.3.2.1 ブール代数の恒等式
   9.3.2.2 ブール代数の公式
   9.3.2.3 ド・モルガンの定理
   9.3.2.4 論理関数の簡単化
  9.3.3 組み合わせ回路と論理IC
  9.3.4 簡単な演算回路
 9.4 デジタルコンピュータと2進数
 9.5 情報表現
  9.5.1 整数の表現形式
  9.5.2 実数の表現形式
  9.5.3 有効桁と誤差、オーバーフロー・アンダーフロー
  9.5.4 実数の等号比較について
  9.5.5 文字の表現
  【コラム ECDIS】

第10章 舶用計測とコンピュータ
 10.1 コンピュータ通信
 10.2 シリアル通信
  10.2.1 RS-232C
  10.2.2 RS-422とRS-485
 10.3 ネットワーク
  10.3.1 有線LAN
  10.3.2 無線LAN
  10.3.3 電力線通信
  10.3.4 船内LAN
  10.3.5 IP(インターネットプロトコル)
  10.3.6 TCPとUDP(通信プロトコル)
  【コラム GPS、GPSコンパス】
 10.4 航海計器のデータ転送
  10.4.1 航海計器・機器類の相互接続
  10.4.2 データ転送フォーマット(NMEA-0183)

 付録1 GPS関係センテンスの意味(抜粋)
 付録2 Javaアプリケーションによるシリアルライセンス記録プログラム

(海事図書)

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