500年住宅


著者名: NPO法人 緑と水の協会 編
ISBN: 978-4-425-98221-9
発行年月日: 2011-06-09
サイズ/頁数: A5判 140頁
在庫状況: 在庫なし
価格(本体価格)

1,728円 (1,600円)

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500年使える住宅とは。その構造とともに住宅建設事情や人にやさしい暮らしのための住環境などとりあげ、超長寿住宅普及のため提言を行う。

注目したのは、「新幹線の高架」。上信越で幾度か起きた大きな地震に対して、「新幹「高架」の構造物は、ほとんど被害がでなかった。このの構造は、
①構造が簡単、よって、施工がしやすく、安価
②地震に強い
③雨や湿気につよい
という特長ももっている。さらに、この構造で家を造ってしまえば、部屋割や内装変更は、自由・簡単にできるなどの利点もある。すなわち、住民の生活環境によって、内装を変更していくことが容易にできる。

【まえがき】より
 わが国は、風水害や地震など、自然災害の多い国であります。私は鉄道建設にたずさわり、多くの構造物を建造しましたが、欧米諸国の建造物と比較すると、その建造コストは3割程度割高になってしまいます。社会資本が割高となると、日本国民の生活水準は低く抑えられてしまいます。こうしたことを改善するため、耐久性が高く、なるべく長く使用できる構造物を研究開発してきました。
 現今のコンクリート構造物は、50年程度の耐久性を有しますが、最近の大気環境の悪化、酸性雨などにより、さらに劣化が進行しています。このままでは、鉄道、道路などの社会資本の補修に毎年10兆円もの補修費用が必要となり、国民生活を圧迫することとなってしまいます。
 こうしたことに対応するため、構造物に対する調査を行っていたときでした。見物していた話好きの老人から、「この橋はコンクリートだから100年くらいは使えるの?」と聞かれました。「とんでもない、せいぜい50年ですよ!」と答えました。すると「なに、たったの50年、この橋が!?きんさん、ぎんさんでも100年だよ!! もっとがんばって良いものを作り出してくださいよ!」と言われてしまったのですが、なぜか妙に納得したのを覚えています。
 それから20年、500年の耐久性を目指して研究・開発したのが、「超高性能コンクリート構造物」です。これについては土木学会で設計・施工方法をまとめたものを出版しています。
 長く使用できるので、現在の構造物に比べて、使用経費は5分の1と、きわめて安くなります。
 こうした観点で、一生の買い物とされる「住宅」を、改めて見直しました。驚いたのは、欧米では住宅は100年の長期使用、中古物件の流通もさかんですが、日本の住宅はほとんど30年程度で資産価値がなくなり、一生涯働いて貯めたお金が、これに浪費されてしまいます。
 また、人間の一生は、独身、結婚、子育て、老後など、時期によって多種多様な生活スタイルがあり、住居もそれに合わせて、合理的かつ、安価に改造する事が必要です。しかし、いまの住宅は改造が難しく、費用も高額になります。
 住宅のメンテナンスとしては、シロアリ対策、屋根の補修など、多額の費用がかかります。そして地震などの災害には、多くの家屋が倒壊しています。この地震については、東海、南海、関東直下型などの大地震発生の危険領域に入ったとされています。こうした多くの問題を抜本的に解決し、豊かな生活を創出すべく開発したのが、「500年耐久住宅」です。柱、床、天井などの基本構造は超高性能鉄筋コンクリートとし、内装、外装は木材など森林資源を活用し、環境に有効で、しかも資産価値を長期間有し、経済性にも優れています。
 本書では、住居の経済性、有効性の物質的な面だけでなく、「生命」としての基本的な条件についても言及しています。見た目の美しさ、便利さを主体として住宅を選定するのではなく、本質的な面から捉えて、総合的に判断してください。
 地球環境に調和した生活を創造してゆくため、ご参考にしてください!

平成23年5月
特定非営利活動法人 緑と水の協会
理事長 鬼頭 誠

【目次】
第1章 日本の住宅の現状

 日本人の平均寿命と住宅の寿命-短すぎる住宅寿命-
 ローンを完済。でも、家がない!
 新築と同時に資産価値急降下
 成熟社会にふさわしい住宅ストックの活用
 プレハブ住宅は1度建てたら間取りの変更がしにくい
  -壁構造での根本欠陥-
 住宅のメンテナンス
 プレハブメーカーの高価格体質
 初期費用とランニングコスト
 日本は地震などの被害が多発
  -あなたの家は大丈夫ですか?-
 わずか10秒で倒壊する耐震性不十分の戸建て木造住宅は、
 1,800万戸もある!
 わが国の戦後のおもな地震災害
 東海、東南海、南海、直下・・・etc・・・
  いつでも起きる・・・日本の特徴
 阪神・淡路大震災の教訓
 新潟中越沖地震の被害
 環境保護の必要性-森林保護の観点-
 森林破壊の現状
 日本による熱帯木材輸入は、どれくらい影響があるのか?
 日本国内の木材消費
 大量消費、廃棄社会への警告
 日本の住宅の現状の問題点

第2章 生活者本位の住宅
 住む人の視点にたった住宅
 500年耐久住宅のコンセプト
 構造体は鉄筋コンクリート製の大黒柱がベスト!
 構造は新幹線高架橋
 耐久性でヨーロッパの住宅をしのぐ
 (税制や長期ローンにも対応可能)
 これからの住宅は、スケルトン・インフィルだ!
 間伐材を利用しよう-森林保護の観点から-
 中古住宅市場が成立(米国に学ぶ)
 屋根にペンキ塗りはいらない
 シロアリ被害対策はコンクリート構造なので不要
 フラットな屋根は利用価値が大きい
 デザイン、外装、内装はご自由にどうぞ
  -室内は間仕切り次第で、自由度が最高-
 安全と耐久性を協会と専門技術者が
 自筆サインで保証書を発行

第3章 500年耐久住宅の設計
 500年耐久住宅の概要
 ハウスメーカー並みの低価格
 ライフサイクルコストの比較
 地震をどう捉えるか
 構造設計の考え方
 耐震性、耐久性に優れる最新コンクリート工学の性能設計
  -S.Q.C.材料を用いて
  S.Q.C.材料とは?
  耐震性について
  耐久特性について
 基礎構造の考え方
  家を建てる前にまず地盤
  地盤の状況を見極める
  軟弱地盤について
  戸建住宅の地盤調査の方法について
 住宅設備の考え方
 内装の考え方
 外装の考え方
 施行と設計事例
 施行事例
 「緑と水の協会(事務所)」の計画例

第4章 住宅間デザイン
 生命体である人間の住宅の関係性
 住民の危険と汚染
 住空間が人間に与えるさまざまな影響とエネルギー
 色と光、自然界の4要素(火・風・水・土)を住居にとりいれる
 住空間のもたらす影響と重要性

第5章 500年耐久住宅で子々孫々にまで真の豊かさを保証
 欧米の豊かさ
 住宅の取得費用と家計への圧迫
 フロー型社会からストック型社会への転換
 ストック型社会の住宅
 住宅取得費用を押さえて、余暇・芸術・文化・教養の充実へ

本を出版したい方へ

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