リスクマネジメントの基本「安心」「安全」の違いとは?

リスクマネジメントの基本「安心」「安全」の違いとは?

こんにちは、石川です。
最近、懐かしくなってドラマ版「ウォーターボーイズ」を全話観ました。当時はほぼ無名だった星野源や田中圭がちょい役で出ていて、今見ると不思議な感じですね。

さてさて、今日は新刊『リスクマネジメントの真髄-現場・組織・社会の安全と安心-』から内容をちょこっと紹介します。
リスクマネジメントを学ぶ際に、昨今話題にもなっている「安全」、「安心」などのキーワードを捉えてみましょう。

安全とは?

平和な国土に生活する日本人の国民性を評して、日本人は水と安全はただだと思っている、といわれてきた。最近とくに世界に起こるテロリズム、異常気象に起因する災害、いつ何時巻き込まれるともわからない事件や事故といったように、常に危険がつきまとうことを身近に感じるようになり、身にふりかかる可能性のある危険を排除する意識なしには、さすがに安全は得られないとの認識も定着しつつある。このように安全とは、安全を損なう原因となる危険を排除してはじめて手にすることができる努力の対価なのである。

安全とは、危険が極力抑えられて危機的な状態が発生しにくい状況をいう。現場・組織・社会において安全な状態とは、個人の行動や組織の活動に不具合な事象が起きない、または起きにくい、そして、社会にとって不都合な状況が起きない、または、起きにくい状況に他ならない。

安全と危険はどう違う?

そもそも世の中には絶対的な安全というものは存在しない。存在するのは危険だけであり、危険を排除する努力なくして安全はあり得ない。危険の程度を極力小さくする努力の結果から得られるのが安全である。

世の中に存在する危険には小さな危険から大きな危険までさまざまあるが、危険の程度を極力小さくする努力をもってしても、なお個人的にまたは社会的に許容できない危険を負う状態は安全とは言えない。しかし、反対に課される危険の程度が許容可能な水準以下ならばそのような状態は安全と言える。したがって、安全とは、直面する危険の大きさの許容水準との比較のもとで定義できる危険に対する相対的価値観ともいえよう。

安全と安心はどう違う?

最近とくに「安心・安全な社会づくり・・・」とか「安全・安心な商品提供・・・」とか、安全という言葉と安心という言葉をワンセットで重ねて使う様子を目にしたり、耳にしたりする。しかし、実際は、安全と安心は同じではない。これらをあたかも同じ意味をもつものとして強意の意図をもって並べて使っているとすれば、多少の違和感を覚える人もいるので注意が必要である。

安全と安心ということばの意味の違いをどのように区別すればよいかは、例えば、渓谷を眼下にしてバンジー・ジャンプを跳ぶかどうかに迷う様子を思い浮かべるとわかりやすい。足に括られたスプリング付きのロープは人間一人を支えるには十分な強度がある、とはいえ、いかに強度的に安全といわれても感覚として不安がつのる。このような科学的な安全保証に対する主観的な信頼感覚の、その両者の葛藤がバンジー・ジャンパーの決断に逡巡をうむことになる。

この例からもわかるように安全と安心は同じではない。つまり安全は、危険の程度が許容の範囲内にあると客観的に保証される状態であるのに対し、安心は、安全の程度を基にした個々の人間の主観に基づく信頼感覚であると説明できる。

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もっと知りたい人はこの本。
リスクマネジメントの真髄-現場・組織・社会の安全と安心-