南極観測隊の「ごはん」のはなし

南極観測隊の「ごはん」のはなし

こんにちは、石川です。きょうも先週に引き続き、「南極観測隊のしごと」より南極での食事について書きますよ。
(まだの方はこちらもどうぞ⇒「南極観測に参加するには?隊員の選考のはなし」

南極観測の舞台・昭和基地への食糧の輸送は、ほかの物資と同じように、南極観測船「しらせ」による年一回の輸送のみです。その量は一人あたり約一トン、隊員30名として一 度で約30トンにも上ります。その他に、火災で食糧を失った場合や補給が困難になった場合も想定して、予備食もほぼ一年分備蓄しているそう。食糧の多くは食材のかたちで持ち込まれ、現在では主食の米や麺から肉、魚介、野菜、お菓子まで、小さいスーパーに匹敵するくらいの食材が揃っているそう !冷凍食品の中には「冷凍握り寿司」まであるとか。

生野菜や果実も大量に持ち込むので、2月の越冬開始からにんじんは5月、キャベツは7月、りんごは9月まで使 うことができるそうです。一日でも長く日持ちさせるために、キャベツは芯の切り口に石炭を塗って新聞紙で丁寧にくるんだりと、凍らないよう大切に保管しま す。それでも半年も過ぎると、生鮮野菜類はすべて尽きてしまうので、今では船内に水耕栽培装置を置いてレタスやトマト、刺身のツマになる大葉などを作って自給自足もしているそう! 越冬生活中は、しばしば生キ ャベツやキュウリをバリバリかじりたく衝動に駆られるようです。

極地の食事は宇宙食にも応用されてるんです。

極地の食事は宇宙食にも応用されてるんです。

南極における「食」は、観測隊員の最大の楽しみであり、健康上、精神衛生上とても重要な要素。
隊員の食事に腕をふるう“南極料理人”は、以前は推薦により 派遣されるコックさんが主でしたが、最近では極地研ホームページの公募で集まった多くの応募者から2名が選ばれています。経験豊富とはいえ、準備期間中に丸 一年分の食材の選定と仕入れと一気に行うのはなかなか至難の業。しかも南極においては「あ、食材なくなっちゃた!」は許されません。基地では毎日さまざまな温かい家庭料理が用意されますが、じつはイベントメニューも多いのです。毎月のお誕生日会や、クリスマス、お正月などの節目には特別メニューがふるまわれます。こうした食事のメリハリがときに単調な越冬生活を活気づけるという意味で、南極での「食事」はとっても重要な役割を担っているのでした。